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厚労省 通信機能付・本体一体型の給付可否 徘徊感知機器以外へ拡大も

厚労省 通信機能付・本体一体型の給付可否 徘徊感知機器以外へ拡大も

 厚生労働省は「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」を10月15日に開催し、通信機能を有する福祉用具について、給付対象の拡大に向けた議論を行った。

 厚生労働省は「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」を10月15日に開催し、通信機能を有する福祉用具について、給付対象の拡大に向けた議論を行った。

 現状では、2015年の解釈通知改正により、福祉用具に保険給付外の通信機能をもたせることができるのは▽認知症老人徘徊感知機器である▽「福祉用具の種目に相当する部分」「通信機能に相当する部分」が区分できる▽通信機能に関する部分を自費負担とする――のすべてを満たした場合とされている。

 今回は論点として①通信に要する費用が明確に分離されれば「認知症老人徘徊感知機器」以外の通信機能を備えた福祉用具であっても、物理的な分離を要する前提を見直し(通信機能が一体型であっても)、本体部分を給付の対象とすること②福祉用具の本来目的と一体不可分な通信機能を備えた福祉用具について、居宅外で端末機器を利用する場面(インターネット接続など)も含めて、個別に検討・評価すること――の2点について構成員に意見を求めた。

 論点①については「議論の方向として、通信機能の用途を明確にしていくのか、(当初の定義では想定されていないため)本来目的の定義を整理していくのか」「本体部分に通信に要する費用が含むかどうかを現場でどのように見極めるか」「福祉用具全般の適用の議論となることから、個別事例により判断するべきである」「ブルートゥース通信による操作ログやエラーコード等の機器情報収集は、メンテナンスやモニタリングを可能とするという観点でとても有効」とする意見があった。

 論点②については「通信機能のコストについて、福祉用具としての本来機能に上乗せされる費用部分は利用者の自費であるべき」「必ずしも介助者が同居していないことを前提として(インターネット経由で居宅外での利用も)考慮する必要がある」などの意見があった。

 厚労省からは、今回の構成員の意見を基に、通信機能を備えた福祉用具の介護保険給付上の取扱いを整理し、評価・検討を行うに当たっての課題を明確にしながら、継続して議論を進めていくことが説明された。

「介護保険給付対象福祉用具情報」選定の主な取り決め(抜粋)

●緊急通報装置を装備したり、警備会社や支援センター等へ送信機からダイレクトに連絡したりするもの、居場所を探索したり、要介護者のバイタルチェック機能を有しているシステムなどの機能が付加されたものは対象としていない。(但し、バイタルセンシングで徘徊を検知する機能で、徘徊感知が目的の製品は許容可能な範囲としている)

●認知症老人徘徊感知機器を除き、Wi-Fiや4Gなどの通信機能を有する製品は対象外。但し、ブルートゥース(近距離無線通信規格)で機器の状況の把握やメンテナンス等を目的とするものは許容可能な範囲としている

●見守りやGPS機能等は、現場からのニーズはあるものの、対象外とする

●施設向けの製品であっても、在宅において使用可能なものは、給付対象用具として選定。但し、ナースコールへの接続を前提としている機器や、双方向の通話補助機能をもつ機器は給付対象用具としない。(オプションとしてナースコールへの接続が可能なものについては許容可能な範囲)

●解釈通知では「…、認知症である老人が徘徊し、屋外に出ようとした時又は屋内のある地点を通過した時に、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報するものをいう」と記述されているが、一定距離を離れたことをもって、通報するものも許容可能な範囲としている。

出典:公益財団法人テクノエイド協会(一部編集)

(シルバー産業新聞2024年12月10日号)

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