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福祉用具の給付範囲 通信機能、徘徊感知機器以外の種目でも検討

福祉用具の給付範囲 通信機能、徘徊感知機器以外の種目でも検討

 介護保険の対象となる福祉用具の範囲や種目などを検討する「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」(座長=山内繁・支援技術開発機構理事長)が9月10日に開かれた。通信機能などの複合機能を有する福祉用具が開発されているのを受け、介護保険対象となる福祉用具の考え方を改めて整理していくのが目的。第2回目の検討会では、厚労省から介護保険の給付対象かどうかを検討する際の福祉用具の評価・検討法の整理案が示された。

 整理案では①有効性②安全性③保険適用の合理性――の3つの観点から評価方法などを提示。①有効性では、利用する場面や対象者、具体的な効果などを、評価・検討の視点に位置づけるとともに、具体的な効果を示すためのエビデンスデータとして、ICFの概念などをもとにした「評価指標」の例を提示した(表)。

 また、個別性の高い製品の評価・検討にあたっては、貸与種目として妥当と判断された場合でも、類似製品の有効性を保険者が判断することができない場合、同検討会で個別に評価・検討する案が示された。

 ②安全性については、福祉用具専門相談員が利用者に福祉用具を適合する際に、▽利用が危険と考えられる心身機能の状況▽利用方法の注意事項▽保守の方法――など、安全上必要と考えられる情報を整理する考えを示し、メーカーに対し、可能な限り利用安全マニュアルの提出を求める案を示した。

 そして、③保険適用の合理性では、複合機能をもつ福祉用具について、現在は保険給付の種目に該当しない機能が含まれるものは、徘徊感知機器以外、全て保険給付の対象外としてきた考え方について、「利用者本人の自立助長や介助者の負担軽減に寄与するものかどうかの観点から、総合的に勘案することとしてはどうか」と、徘徊感知機器以外の種目の複合機能についても評価・検討を行っていく考えを示した。

 その際、考慮する視点として、①本来目的の機能と一体不可分な機能であるもの(本来目的を果たすための機能として必要かどうか、 本来機能を補完するものかどうかにより判断)②複合機能が日常生活における機能として欠かせない――の2点を掲げ、その基準に照らして、徘徊感知機器以外の種目に通信機能などを持たせた場合でも評価・検討していく考えを示した。
 
 また通信機能などを搭載した福祉用具のメンテナンスについては、「福祉用具事業者だけではメンテナンスが困難な場合が想定されることから、開発企業などと連携することも含めて、対応を促していくこととしてはどうか」との案も提示した。

 こうした考えに対し、出席した委員からは概ね賛同が得られた。次回は10月に開催される予定。

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