連載《プリズム》

必要なケアスタッフ支援策

必要なケアスタッフ支援策

 待望の新型コロナワクチンの接種が医療従事者から始まった。高齢者、基礎疾患を有する人、高齢者施設や居住系介護サービスなどで利用者に直接接する職員、60~64歳の人、それ以外の人の順に接種される予定だ。

 ヘルパーなど在宅介護の従事者にも優先的にワクチン接種する必要がある。接種場所は、住民票所在地の市町村の医療機関が原則で、やむを得ない場合はその他での接種ができる。献血バスのように施設を回ることができればいいのだが。

 こうした朗報の一方で、厚労省はコロナ禍による失業者が9万人を超える見込みと報じた。これまでは、不況になると、介護分野の求職者数が増える傾向があったが、コロナ禍の中で、福祉人材の求職者数がどれだけ増えているのか。福祉人材センターの求人・求職状況によると、20年4月~11月の新規求人数は17.7万人で、前年の19.5万人より2.2万人(9.4%)減少したが、同様に、同期の新規求職者数も3万5618人で、前年の4万912人より5294人(12.9%)減少した。有効求人倍率は20年4月の4.94から、5~7月に5台に上がった後、8月に4台に下がり、11月には4.24まで低下している。新型コロナによって職を失った人たちが、こぞって福祉分野へめざしているとは言いがたい。

 コロナのクラスター発生件数は、 2月に入って減少に転じた。2月の1週間ごとの発生件数は、高齢者施設63件→26件→44件→28件に、医療施設も40件→38件→29件→17件に減少したが、 依然高水準にある。昨年来の総数は、高齢者施設で1089件、医療施設で920件、ほかに障がい者施設125件、児童施設233件になる。21年度予算でも、感染者や厚接触者が発生した施設については、コロナ対策に要した費用は「かかり増し経費」として、施設からの申請によって補助される予定。

(7面に本紙まとめ、病院.施設の新型コロナウイルスの感染状況)

(シルバー産業新聞2021年3月10日号)

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