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3次補正予算 コロナ対応・介護人材確保・災害対応 鮮明に

3次補正予算 コロナ対応・介護人材確保・災害対応 鮮明に

 1月28日に2020年度第3次補正予算(15カ月予算)が成立した。厚生労働省関連(追加額4兆7330億円)では、「新型コロナ対応」や「介護職の就職支援」「介護施設等の防災対策」などが盛り込まれている。介護関連について解説する。

 2次補正予算「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)」の財源不足に備え、3次補正予算で786億円の予算積み増しが行われた。

 事業内容は現行と同様で「感染症対策の徹底支援(かかり増し費用)」「介護施設・事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給」「在宅サービス事業所における環境整備への支援」で構成。2次補正予算への積み増しの為、3月末までの予算となる。

 21年度以降についても、21年度予算案では、コロナ感染の発生した施設を対象にしたかかり増し経費等の助成が予定されている。

 感染症対策として、高齢者施設でのゾーンニングなどが求められることから、地域医療介護総合確保基金のメニュー「高齢者施設の感染拡大防止のためのゾーニング環境等の整備」を追加する。

 具体的には▽ユニット型施設の生活スペースの出入口に、四方が囲われた「玄関室」を設置する(補助上限100万円/箇所)▽従来型個室や多床室を動線分離するため、新たに洗面所、トイレ等を新設する(補助上限600万円/箇所)▽家族との面会ができるように、アクリル板で対面できるようにし、それぞれ別の出入口から入退室できるようにする(補助上限350万円/施設)――などを想定する。

介護職の確保・就職支援

 「雇用と福祉の連携による離職者への介護・障害福祉分野への就職支援パッケージ」の制度が創設される。「ハローワークや訓練機関、福祉人材センターの連携強化による介護・障がい福祉分野への就職支援」「介護・障害福祉分野向け訓練枠の拡充、訓練への職場見学・職場体験の組み込み、訓練委託費等の1人当たり1万円上乗せ」「都道府県社会福祉協議会による介護分野、障害福祉分野に就職した訓練修了者への貸付金制度(20万円支給・財源は21年度予算で要求)」など、就職相談から現場体験、就職までパッケージで支援する。貸付金については就職後2年間経過で返済不要となる。

 「介護福祉士修学資金等貸付事業における貸付原資の確保」(69億円)は、介護福祉士修学資金等の貸付事業の需要が高まる一方、貸付原資不足が見込まれる自治体もあることから、国が必要な貸付原資の積み増しを行い、安定的な事業継続を支援するもの。

 介護福祉士修学資金の場合、貸付上限額は「学費5万円(月額)、「入学準備金」20万円(初回)など。修学金を受けた者が5年間、福祉・介護の仕事に継続して従事した場合、返済が不要になる。データベースのクラウド化 「レセプト情報・特定健診等情報データベースシステムの構築」(4.3億円)として、稼働7年目のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の交換をする。

 全国の医療機関等で受診したレセプトデータ等が格納されているNDBは、将来の保健医療分野のデジタル改革(データ利活用)の基盤となるもので、介護データとの連結も可能となっている。一方でシステムは稼働7年目を迎え老朽化しており、クラウド型ではない旧来型のオンプレであることから、最新のクラウド型に交換を行う。

減災 ・ 防災対策

 「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(防災・減災対策分)」(42億円)として、高齢者施設等の耐震化改修、非常用自家発電・給水設備の整備、水害対策のための改修、倒壊の危険性のあるブロック塀の改修等の対策を進める。

 「認知症高齢者グループホーム等防災改修等支援事業」では▽小規模特養、小規模老健、小規模ケアハウス、小規模介護医療院に「施設当たり80万円以上1540万円以内」▽小規模養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型等に「施設当たり80万円以上733万円以内」――を定額補助する。

 「高齢者施設等の非常用自家発電・給水設備整備事業・水害対策強化事業」では、災害による停電・断水時でも、施設機能を維持するために非常用自家発電設備、給水設備の整備、水害対策に伴う改修等を補助する。特養、老健、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、介護医療院を対象に▽非常用自家発電設備を導入する場合「施設当たり総事業費500万円以上~上限なし」▽水害対策に伴う改修等を行う場合「施設当たり総事業費80万円以上~上限なし」――を公費補助75%で実施できるようにする。

 給水設備については▽特養、老健、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、介護医療院の場合「施設当たり総事業費500万円以上~上限なし」▽小規模特養、小規模老健、小規模軽費老人ホーム、小規模養護老人ホーム、小規模介護医療院、認知症高齢者GH、小規模多機能型等「施設当たり総事業費上限・下限なし」――を公費補助75%で実施できるようにする。

 ブロック塀の倒壊事故等を防ぐための改修は、特養、老健、軽費老人ホーム、養護老人ホーム、介護医療院、認知症高齢者GH、小規模多機能型等に「施設当たり総事業費上限・下限なし」を公費補助75%でできるようにする。

(シルバー産業新聞2021年2月10日号)

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