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エイジフレンドリー補助金の活用(小野山真由美/連載178)

エイジフレンドリー補助金の活用(小野山真由美/連載178)

 2021年度のエイジフレンドリー補助金(以下「補助金」という)の紹介をいたします。この補助金は、高齢者が安心して働ける職場環境づくりを目的とし、職場環境の改善に要した費用の一部を補助するものです。

1.対象となる事業者

 この補助金は一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会(以下「コンサルタント会」という)が事務局となっていますが、厚生労働省の管轄なので労働保険に加入していることが前提です。次に、60歳以上の労働者を常時1人以上雇用していることです。中小企業を対象としていますので、介護事業所の場合、常時雇用する労働者が100人以下もしくは資本金が5000万円以下となります。
2.補助内容および申請について

 高齢労働者のための職場環境改善に要した経費(物品の購入・工事の施工等)のうち、2分の1が補助されます。上限額は100万円でこの額には消費税を含みます。
 補助金の申請期間は、21年6月11日から21年10月末日までですが、毎月末に中間締切を行い、審査を実施し、補助金の交付・不採択の決定通知が事業所に送付されます。決定通知を受領してから対策(購入や工事など)に着手します。その後に実施報告および精算払請求書をコンサルタント会に提出し、入金を待つことになります。
3.職場環境の改善対策

 補助の対象は、以下の通りです。
 働く高齢者の新型コロナウイルス感染予防、身体機能の低下を補う設備・装置の導入、健康や体力状況等の把握に関する費用、安全衛生教育の実施に関する費用です。介護事業所における具体的な対策としては、移乗介助や入浴介助の際の身体的負担を軽減する機器、リフトやスライディングボードなどです。
 また、熱中症の初期症状等の急変を把握できる小型携帯機器(ウェアラブルデバイス)の導入による健康管理も対象です。ただし、個別に使う機器に関しては高齢者が装着するものが補助の対象となり、事業所全員分や予備分は対象となりませんのでご注意ください。
 階段の手すりやスロープの設置も対象となりますので、高齢者の職場環境という視点で施設全体を見直すと改善点がみつかるかもしれません。また、体力チェックや運動・栄養・保健指導等の実施や、保健師やトレーナー等の指導による身体機能の維持向上活動も含まれます。
 空気清浄機も感染予防を目的とし、基準に合う設置であれば補助の対象となります。「令和3年度エイジフレンドリー補助金」で検索していただくとコンサルタント会のホームページにQ&Aが掲載されており改善のヒントになります。
 定年延長や定年の撤廃等会社の制度と設備の改善や教育活動を行うことでより快適な職場作りと一歩先行く高齢者活躍の事業所にしていきましょう。
(シルバー産業新聞2021年7月10日号)

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