連載《プリズム》

拡大するクラスター

拡大するクラスター

 病医院や高齢者・障がい者施設で新型コロナウイルス感染症のクラスターが拡大している。
 本紙は3月から毎号、各地で起きた感染発生状況のまとめを掲載してきたが、その数が先月号から急増し、今号では10月後半から11月25日までのほぼ1カ月間に、92件のクラスターを記録した(16面下段内訳)。
 この中で、医療・介護従事者、患者・利用者合わせて、2156人が感染した。

 厚労省の調べでみると、10月27日~11月24日に全国で発生したクラスター(5人以上、同一空間で感染発生)は629件に及んでいる。発生施設の内訳は、医療施設79、高齢施設94、障がい施設18、児童施設21、学校97、企業128、運動施設10、飲食店127、その他55。クラスター累計は2390件で、多い順に飲食店568、企業507、医療施設386、高齢者施設309、学校263。医療と福祉の計は838件に及んでいる。

 人の移動が戻ったり、ウイルスが活性化する季節の到来が、現在の「第三波」の要因と捉えられるが、第一波や第二波の時以上に、医療施設や福祉施設でのクラスター発生が増えている。病院・施設では「スタンダードプリコーション(標準予防策)」の徹底が進み、かかり増し経費への国からの補てんもあり、マスクや手袋などの防御用具も揃ってきているだけに、目に見えないウイルスがどのように施設に侵入し、飛沫や接触によって感染を引き起こしているのか。人を媒介して感染する仕組みと、遮断策を早急に解明してほしいと願う。

 厚労省のアドバイザリーボード資料によると、80代、90代が重症化する割合は、新型コロナウイルスと診断された人のうちで、6~8月で、80代は14%、90代は16%だった。重症化率は30代に比べて70倍を超え、死亡率も高い。ただ、それ以前の1~4月では80代で34%、90代で36%あったのと比べると重症化率は半減している。有効率90%を超えるワクチン開発の朗報もあり、2021年には収束に向かう流れになるのを願いたい。
(シルバー産業新聞2020年12月10日号)

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