連載《プリズム》
「2025年問題」
「団塊の世代」が、すべて75歳以上の後期高齢者となる、2025年が幕を開けた。
「団塊の世代」とは、一般的に第二次世界大戦後の1947年から1949年の間に生まれた世代のことを指し、その数は806万人に及ぶ。作家の故・堺屋太一さんが1976年に発表した小説のタイトルが名前の由来。日本の人口構造の中で突出した存在であり、「巨大な人口の塊」の意味で名付けられた。
その数の多さから、「団塊の世代」が何かをすると、世の中が動き、社会に大きな影響を与えた。学生運動はその典型だが、新しいライフスタイルを生み出し、日本経済の成長を牽引してきた。「団塊の世代」が、常に激動の時代の中心にいたのは紛れもない事実であろう。そんな彼ら彼女らが、今度は75歳以上の後期高齢者になる。日本の高齢化は本格化し、医療や介護のニーズが急増していく。「2025年問題」の始まりである。
堺屋さんの小説のように近未来を描いてみると、今後、国民の5人に1人が後期高齢者となる。社会保障費は増大し、医療・介護の需給ギャップが開いていく。社会保障制度の大きな見直しが予想される中、光明を見出すなら、高齢者が活躍する社会を実現させることであろう。実際に、この20年で高齢者の若返りを指摘する研究は数多く存在する。年齢だけで一律に高齢者とすることに科学的根拠があるわけではない。
昨年9月にまとまった政府の高齢社会対策大綱では、「年齢によって『支える側』と『支えられる側』を画することは、実態にあわないものとなっており、新たな高齢期像を志向すべき時代が到来しつつある」との一文が明記された。常に時代を牽引し、様々なブームを巻き起こしてきたのが「団塊の世代」である。この世代が活躍する新たな高齢期像に期待をしたい。
その数の多さから、「団塊の世代」が何かをすると、世の中が動き、社会に大きな影響を与えた。学生運動はその典型だが、新しいライフスタイルを生み出し、日本経済の成長を牽引してきた。「団塊の世代」が、常に激動の時代の中心にいたのは紛れもない事実であろう。そんな彼ら彼女らが、今度は75歳以上の後期高齢者になる。日本の高齢化は本格化し、医療や介護のニーズが急増していく。「2025年問題」の始まりである。
堺屋さんの小説のように近未来を描いてみると、今後、国民の5人に1人が後期高齢者となる。社会保障費は増大し、医療・介護の需給ギャップが開いていく。社会保障制度の大きな見直しが予想される中、光明を見出すなら、高齢者が活躍する社会を実現させることであろう。実際に、この20年で高齢者の若返りを指摘する研究は数多く存在する。年齢だけで一律に高齢者とすることに科学的根拠があるわけではない。
昨年9月にまとまった政府の高齢社会対策大綱では、「年齢によって『支える側』と『支えられる側』を画することは、実態にあわないものとなっており、新たな高齢期像を志向すべき時代が到来しつつある」との一文が明記された。常に時代を牽引し、様々なブームを巻き起こしてきたのが「団塊の世代」である。この世代が活躍する新たな高齢期像に期待をしたい。