連載《プリズム》

みなさまとともに20年

みなさまとともに20年

 介護事業者のみなさんに伴走しながら、本紙は介護保険をテーマに歩んできた。創刊は1996年11月10日だが、おかげさまで、会社組織になった99年9月9日から20年を経た。(プリズム2020年3月)

 介護保険が4月で制度創設20周年を迎えるいま、弊社にとっても21世紀の日本の長寿社会に真正面から向き合えた20年だった。大島一博老健局長は、昨夏の関西シルバーサービス協会主催のシンポジウムで、介護保険の20年はたくさんの人たちの努力の積み重ねによって、高齢化を支える不可欠な制度に成長したと高く評価した。創刊当初、厚生省担当者は「介護が家庭の問題から社会の問題に変わってきた。親の介護を口にするようになったからだ」と話したのを思い起こす。

 大島局長はこれから20年、30年は社会を支える生産年齢人口が急速に減少する時代を迎えるが、介護保険の前半戦であったこれまでの20年と異なるのは、ICTなどのテクノロジーが爆発的な勢いで社会のインフラになっていくことだと話した。介護業務に関わる様々な間接業務はテクノロジーが担うようになるだろうと。福祉用具の役割もこれまで以上に介護現場の様々なニーズのソリューションになると期待される。介護という特性にそって、何をどのように使って効率的なシステムを作っていくのか。介護現場とテクノロジーが一体となって向き合う場面がこれから本格化するに違いない。

 政府の未来投資会議のメンバーは、人口減少に打ち勝つ術を獲得できれば、将来の日本は世界をリードする国になるだろうと述べている。新型コロナウイルスが、感染の仕組みがよくわからないままに拡大。WHOは、パンデミックになる可能性を告げる中で、日本社会もその対応を迫られている。収束への方法論を培うことができれば、これからの社会の力になる。

 シルバー産業新聞社設立20年を、みなさまのご支援で迎えることができたことを、社員一同心より感謝いたします。

(シルバー産業新聞2020年3月10日号)

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