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22年診療報酬 患者・地域へ 「かかりつけ医機能」明示

22年診療報酬 患者・地域へ 「かかりつけ医機能」明示

 2月9日、中央社会保険医療協議会総会(中医協)で2022年度診療報酬改定に関する答申が行われ、報酬・加算等の見直し内容が明らかになった。主要テーマの一つ、かかりつけ医機能の評価では「機能強化加算」の要件を厳格化。訪問診療や看取り、健康相談等の活動、行政活動等の実績要件を追加した。かかりつけ医機能を有する医療機関であることを患者へ適切に周知・説明することも求める。患者や住民に分かりやすく、地域に開かれた外来医療の充実をはかる。

 機能強化加算(80点、初診料算定時のみ)はかかりつけ医機能の評価を目的に、18年診療報酬改定で新設。診療所または200床未満の病院で、地域包括診療料・加算、小児かかりつけ診療料、在医総管・施設総管(在支診、在支病院に限る)のいずれかの届出が要件となる。健診など健康管理や保健・福祉サービスに関する相談、夜間・休日の問合せ、専門医等への紹介に対応できる旨を見やすい場所に掲示し、患者等へ周知することも求めている。

 同加算の届出医療機関数は初年度1万2841件(診療所1万1793、病院1048)、20年度1万4653件(同1万3413、1240)と少しずつだが伸びている(グラフ1)。

 また、機能強化加算の届出の有・無でかかりつけ医機能を比較した調査では、「どんな病気でもまずは診療できる」と回答した診療所等の割合は、届出無の場合が26.9%であるのに対し、届出有の場合は52.7%とほぼ2倍に。「往診や訪問診療などの在宅医療を行う」は届出有87.1%、届出無26.3%、「地域の介護職など多職種との連携」は届出有73.7%、届出無33.7%など差が開いており、同加算の目的を一定程度果たしているとみられる(グラフ2)。

在宅医療等の実績を追加

 22年改定議論の焦点となったのが、かかりつけ医機能、機能強化加算を患者目線でどう分かりやすく伝えるか。「患者が知らないうちに算定され、負担増になっていないか」といった意見や、具体的な活動実績を求めるべきとの声があがっていた。

 これを受け2月に答申した改定項目では、まず地域包括診療料等については、届出(体制)要件に加え実際の算定実績も追加。在医総管・施設総管の場合だと緊急往診・受入れや在宅看取りなどが求められる。

 また、患者個々への対応として①他医療機関での受診内容、処方薬を把握し診療録に記載②専門医・専門医療機関への紹介③健診結果等の健康管理に係る相談④保健・福祉サー旨を掲示し、必要に応じて患者へ説明することとした。

 さらに、地域展開として行政や介護・福祉サービスへの対応を行う常勤医師の配置を必須化。具体的には▽介護保険の利用等への相談や主治医意見書の作成▽警察医として協力▽乳幼児健診の実施▽定期予防接種の実施▽保育所の嘱託医や学校医等に就任▽地域ケア会議への出席▽通いの場など市町村が実施する一般介護予防事業への協力――のいずれかを行うこととした。

 日本医師会等が調査したかかりつけ医の地域活動で、最も実施割合が高かったのは「主治医意見書の記載」(95.1%)。「健康相談・保健指導、検診、定期予防接種」は6割ほどで、「地域ケア会議等への参加」は2割程度にとどまっている。

外来機能分化の潮流

 かかりつけ医機能は13年に入院・外来機能分化の議論の中で、診療所等に今後求められる機能として注目された。地域の拠点・基幹となる病院は入院機能の強化・分化をはかると同時に、外来を「紹介患者中心型」へ専門化・スリム化。一方、一般的な外来は「気軽に相談できる安心感を与える医療体制が望ましい」と診療所等で対応を強化する。かかりつけ医の受診にはじまり、高度な機能を有する病院外来へ紹介するといった流れを推進することで、大病院志向からの脱却をめざす考えだ。

 同年、日本医師会・四病院団体協議会はかかりつけ医機能に関する合同提言を発表。▽患者の生活背景を把握した診療・保健指導▽地域の医師や医療機関等と協力した休日・夜間等の時間外対応▽健康相談、地域保健などの社会的・行政活動への参加▽保健・介護・福祉関係者との連携▽在宅医療の推進▽患者・家族へのわかりやすい情報提供――を主な役割とした。日本医師会は16年度より「日医かかりつけ医研修制度」を開始している。

 医療法改正により、今年4月からは「外来機能報告制度」がスタート。①入院前後の外来②放射線治療など高額な医療機器・設備を必要とする外来③紹介患者への外来など、特定の領域に特化した外来――の実績を報告する。③はかかりつけ医機能を有する診療所等との連携もポイント。病院の外来機能の可視化が一層促進される。

(シルバー産業新聞2022年3月10日号)

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