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平成医療福祉グループ 武久洋三会長 絶対に見捨てない

平成医療福祉グループ 武久洋三会長 絶対に見捨てない

 平成医療福祉グループ(徳島市、武久敬洋代表)は徳島県からはじまり、現在、全国で100件以上の病院や介護・福祉施設を展開する。武久洋三会長にグループでの取り組みと、24年度診療・介護報酬改定について聞いた。

 1984年、博愛記念病院の設立当初、徳島県には既に多くの急性期病院があった。

 当時から将来、高齢者医療に焦点が当たると思い、当院ではリハビリに力を入れた医療を提供していた。

 平成医療福祉グループは、絶対に見捨てないことが理念。現在、病院26件、特養27件、老健11件、ケアハウス6件など100施設以上を運営している。

意識改革とコスト管理で病院を黒字化

 最初の病院を開業後、20年ほどは地方の病院の経営依頼が多く、国立の逓信病院も本県と神戸で引き受けた。当時は毎年数億もの赤字を出していたが、私が引き継いだ翌年から黒字化した。

 「病院の役目は、だれでも引き受けて、治療して自宅に返すこと」と患者のために働くことを声がけした。

 さらに、仕入れに当グループの共同仕入れ会社を活用するなど、コスト削減に取り組んだ。なにより病床稼働率が常にほぼ満床になったことが大きかったと思う。

医療が支えた徳島県の介護サービス

 43年に初めて県立徳島医学専門学校が設立された当初、本県は四国の医師配給県だった。当然のことながら、県内の病院数が四国の他県に比べて圧倒的に多かった。

 00年に介護保険制度が始まった際も、医療法人が主体となり介護サービスが整備された。そのため、訪問看護や訪問・通所リハビリなど医療系の介護サービスの方が多いことが特徴だ。

 98年に最初の介護支援専門員実務研修受講試験が行われた際、今後、ケアマネジャーが大きな役割を果たすことが想定されたため、当グループの職員や県医師会にも資格取得を勧めた。県介護支援専門員協会の設立にも関わり、当初は多くの医師、看護師、リハ専門職が加入した。

医療・介護ともに質への評価進む

 24年診療報酬改定では、療養病床の医療区分を細分化することで入院基本料の見直しが行われる。他にも漫然とした治療を行っている病院が減収となる改定がなされた。今後も、良質な医療を提供する病院への評価を続ければ医療費の総額は下がるはずだ。

 介護保険は今回、介護職員の処遇改善の観点からプラス改定となった。排泄や褥瘡管理、リハビリなどのアウトカム評価が推進された。これまで要介護度が改善したら報酬が減っていたが、そこを評価し、補うことが正しい方向性だ。

生産性向上はケアの質との両立を

 ICT活用による業務効率化はよいことだが、利用者を座らせて、話をしながらケアをすることを忘れてはならない。診療や介護の質が下がらないように注意したい。

 便利になる機器の導入は賛成だが、全て依存する考え方はやめた方がよい。直接、顔を合わせたケアを行いたい。

多剤服用・栄養への取り組みも評価

 当院では、薬剤師を各病棟に配置して医師が処方した薬を全て確認している。ポリファーマシー改善への評価はよいことだ。

 また、栄養は、体力や免疫力の観点からも重要であり、栄養士を10人以上雇っている。今回、リハ・機能訓練、口腔、栄養の一体的取組や、栄養管理に関する情報連携の促進などの形で評価されるようになった。

 これまで利用者のことを思ってやってきたことが認められうれしく思う。
(シルバー産業新聞2024年3月10日号)

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