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複数福祉用具貸与 変更契約時は利用者へ説明義務
厚労省は3月27日、事務連絡「複数の福祉用具を貸与する場合の運用について」を都道府県などに発出した。給付の効率化・適正化の観点から、レンタル事業者が複数の福祉用具を貸与する場合に、予め都道府県等に減額の規程を届け出ることにより、通常の貸与価格から減額して貸与することを可能とするもの。
複数レンタルの考え方、減額対象となる福祉用具の範囲、減額する際の利用料の設定方法、減額利用料の算定、変更契約と利用者への説明、居宅介護支援事業所等への連絡などについて記述する。以下、事務連絡の内容。
1.複数の福祉用具を貸与する場合の考え方
複数の福祉用具を貸与する場合とは、同一の利用者に2つ以上の福祉用具を貸与する場合とする。複数の捉え方は、例えば1つの契約により2つ以上の福祉用具を貸与する場合、契約数に関わらず2つ以上の福祉用具を貸与する場合等、福祉用具貸与事業者等が実情に応じて規定する。
2.減額の対象となる福祉用具の範囲
減額の対象となる福祉用具の範囲は、福祉用具貸与事業者等が取り扱う福祉用具の一部又は全てを対象とすることができる。例えば、主要な福祉用具である車いす及び特殊寝台と同時に貸与される可能性が高い以下の種目を減額の対象となる福祉用具として設定することなどが考えられる。①車いす付属品②特殊寝台付属品③床ずれ防止用具④手すり⑤スロープ⑥歩行器。
3.減額する際の利用料の設定方法
福祉用具貸与事業者等は、既に届け出ている福祉用具の利用料(単品利用料)に加えて、減額の対象とする場合の利用料(減額利用料)を設定する。また、1つの福祉用具には、同時に貸与する福祉用具の数に応じて複数の減額利用料を設定することも可能。従って、本取り扱いを行う福祉用具貸与事業者等は、予め事業所内のシステム等において1つの福祉用具に対して単品利用料と減額利用料を設定する必要がある。
なお、特定の福祉用具を複数組み合わせたもの、いわゆるセットを定めることは認めないこととし、利用者の状態に応じて適切な福祉用具が選定できるよう、個々の福祉用具に減額利用料を設定する。
4.減額の規定の整備
指定基準等に規定するとおり、運営規定等に単品利用料と減額利用料のいずれについても記載する必要がある。指定基準等により、福祉用具貸与事業者等は利用料等の運営規定を定めることとされていることから、本取り扱いを行う福祉用具貸与事業者等においては、減額利用料に関する規定を定め、各指定権者において規定する事業者の指定に関する要領等に則った手続きが必要となる。
5.減額利用料の算定等
月の途中において、本取り扱いが適用される場合、或いは適用されなくなる場合の算定方法は、「介護報酬に係るQ&A(vol.2)」(平成15年6月30日事務連絡)(参考)で示す「月途中でサービス提供の開始及び中止を行った場合の算定方法について」等の取り扱いに準じる。
6.利用者への説明
本運用を適用する場合、或いは適用されなくなる場合において変更契約等を行う際には、福祉用具貸与事業者等は契約書等においてその旨を記載し、利用者に対して利用料の変更に関する説明を行い、理解を得ること。
7.居宅介護支援事業所等への連絡
本取り扱いに関する運用を含め、福祉用具貸与事業者等が利用料を変更する際は、居宅介護支援事業所等において区分支給限度基準額管理を適正に行えるよう、その都度、関係事業所が必要な情報を共有すること。
8.その他留意事項
減額する福祉用具の利用料については、利用料のうち重複する経費として想定されるアセスメント、契約手続き、配送・納品及びモニタリング等に係る経費に相当する範囲において適切に設定いたただくようご留意願いたい。
〈参考〉「介護報酬に係るQ&A(vol.2)」
Q 「月途中でサービス提供の開始及び中止を行った場合の算定方法」
A 福祉用具貸与の開始月と中止月が異なり、かつ当該月の貸与期間が1月に満たない場合については、当該開始月及び当該中止月は日割り計算を行う。ただし、当分の間、半月単位の計算方法を行うことも差し支えない。いずれの場合においても、居宅介護支援事業者による給付管理が適切になされるよう、その算定方法を運営規定に記載する必要がある。
Q 「月途中でサービス提供の開始及び中止を行った場合の算定方法」
A 福祉用具貸与の開始月と中止月が異なり、かつ当該月の貸与期間が1月に満たない場合については、当該開始月及び当該中止月は日割り計算を行う。ただし、当分の間、半月単位の計算方法を行うことも差し支えない。いずれの場合においても、居宅介護支援事業者による給付管理が適切になされるよう、その算定方法を運営規定に記載する必要がある。
(シルバー産業新聞2020年4月10日号)