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介護保険部会 介護予防とフレイル対策一体的実施へ

介護保険部会 介護予防とフレイル対策一体的実施へ

 厚生労働省は7月26日、社会保障審議会介護保険部会(部会長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)を開き、保健事業と介護予防を一体的に実施するための有識者会議の設置を提案し、了承された。近く初会合が行われ、年内にも具体策がとりまとめられる。

 同省では、2040年までに健康寿命を3年以上延伸させ、平均寿命との差を縮める目標を掲げており、その手段の一つとして、介護予防とフレイル対策や生活習慣病対策などの保健事業を一体的に実施していきたい考え。

 ただ、現行ではフレイル対策や生活習慣病対策は医療保険、介護予防は介護保険と、制度や実施主体がバラバラなため、一体的で効果的な取組みが実施されにくいといった課題がある。

 また、介護予防事業での通いの場についても、設置箇所数は全国で7万6492カ所あるものの、高齢者の参加率については4.2%と低いのが現状だ。

 このため、介護予防事業の通いの場を活かして、フレイル対策や生活習慣病対策を一体的に実施できる枠組みを検討する。具体的なイメージとしては、介護予防の通いの場に保健師などの医療職が訪れ、フレイルチェックや保健指導が行えるようにしていく考え。有識者会では、介護予防と保健事業の一体的な実施に関して、実施内容(効果的な支援のあり方)や実施主体(市町村と広域連合、保険者間の役割分担)、事業スキーム(財源、計画)などを検討する。

 メンバーは遠藤久夫氏や飯島勝矢氏(東京大学高齢社会総合研究機構教授)ら学識経験者のほか、保険者の代表や日本医師会、日本看護協会などの職能団体代表によって構成される。

 年内を目途に制度的・実務的な論点を整理し、社会保障審議会の介護保険部会、医療保険部会の両部会に報告される。

(シルバー産業新聞2018年8月10日号)

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