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自治体インセンティブ 取り組みの底上げを確認

自治体インセンティブ 取り組みの底上げを確認

 厚生労働省は9月27日、社会保障審議会介護保険部会(部会長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)を開催し、次期介護保険制度改正に向け、保険者機能強化推進交付金などをテーマに議論した。

「達成率高い項目は変えていくべき」

 保険者機能強化推進交付金は、保険者の自立支援 ・重度化防止に向けた取組みの達成状況を評価して、その結果に応じて交付金を支払うため、インセンティブ交付金とも呼ばれる。2018年度から実施され、財源は全額国費で賄われている。

 この日の部会では、2019年度の評価結果の概況が公表された。19年度の得点率については、昨年度から要件や配点などを見直したことにより、都道府県分が78.9%(18年度は87.4%)、市町村分が61.9%(同67.2%)と、いずれも得点率が低下した。ただ、指標を変更していない項目で見ると、都道府県分だと13項目中6項目で上昇、7項目で横ばい、市町村分だと41項目中22項目で上昇、19項目で横ばいと、確実に取り組みの底上げが図れていることが確認された。

 また、ハードルを上げた項目では、都道府県が84.3%→66.3%に、市町村が68.1%→54.1%に低下し、指標にメリハリがつく形になっている。「通いの場の参加率」や「ケアプラン点検割合」などのアウトプット指標で見ても、実績に改善がみられる状況で、各自治体で確実に自立支援・重度化防止や、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みが前進していることが伺える。

 こうした状況に対し、委員からは、「達成率の高いものについては、新たな重点課題に変えていくべき」(濱田和則委員・日本介護支援専門員協会副会長)、「達成率の高い項目は変えていかないとインセンティブにならない」(井上隆委員・経団連常務理事)など、多くの自治体ですでに達成されている項目については、より高いものに改めていくべきだとする意見が目立った。保険者機能強化推進交付金については、次年度以降に向け、アウトカム評価の充実も含めた見直しを進めていく方向だ。

(シルバー産業新聞2019年10月10日号)

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