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厚労省 障害者総合支援法に補装具レンタル案など

厚労省 障害者総合支援法に補装具レンタル案など

 厚生労働省は12月14日、第79回社会保障審議会障害者部会(座長=慶應義塾大学、駒村康平教授)を開催し、16年4月へ向けた障害者総合支援法の見直しを提言する報告書をまとめ、概ね了承された。厚労省は今後報告書を基に、関係法律の改正や、障害福祉サービスの次期報酬改定に向けて具体的な対応を進めていく。

 現行では障がい者が65歳になると介護保険が優先適用されることになっており、介護保険サービスを利用する場合にこれまで利用していた障害福祉サービス事業所が利用できなくなる等の課題があった。

 報告書では、障がい者が65歳以上になっても引き続き適切な支援を受けられるように、両制度の連携を推進していくことが明記された。具体的には、▽65歳以上になっても同一の事業所で介護保険サービスを受けられるように基準該当サービスの提供等、介護保険事業所の指定を受けやすくする▽協議会と地域ケア会議及び地域包括支援センターと障害者の相談窓口となる基幹相談支援センターの連携推進▽相談支援専門員とケアマネジャーの連携推進――等で強化していく。

 更に、主任ケアマネジャーのようにスーパーバイザー的な役割を担い、地域支援のリーダーとなる主任相談支援専門員(仮称)を創設する。

 また、現行では障害者支援施設は介護保険の住所地特例の適用除外施設となっているが、介護保険法改正も踏まえ適用施設となるように対応していく。

 補装具については効果的・効率的な支給に向け、実態の把握を行うとともに、レンタル方式の活用を進めることが盛り込まれた。障がい者の補装具の場合、体にあわせてオーダーメイドで作られるのが一般的で、レンタルには適さないとされているが、障がい児の場合は成長に合わせて買い替える必要があり、経済的な負担も大きい。委員からは「レンタルという言葉が一人歩きし、自治体が曲解するおそれがある」と反対意見も出たが、「利用者の選択肢の幅を広げる意味でも検討してはどうか」という意見も上がった。

 また、介護保険優先原則は維持する。両制度の在り方については、これまでの議論で「財源の問題もあるので一元化するべき」との意見と、「二つは全く別の制度で、別々に運用されるべき」との意見で対立していたが、報告書には「長期的な財源確保の方策を含めた今後の在り方を見据えた議論を行うべき」と記載されるに止まり、まとまらなかった。

(シルバー産業新聞2016年1月10日号)

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