ニュース

【WEB先行記事】在宅サービスへの拡大期待 補助金「介護テクノロジー定着支援事業」

【WEB先行記事】在宅サービスへの拡大期待 補助金「介護テクノロジー定着支援事業」

 補助金「介護テクノロジー定着支援事業」による介護テクノロジー導入・活用の申請が全国的に本格化する中、介護ソフトなどのICTに関心が高まっている。背景には居宅介護支援や訪問介護、通所介護、福祉用具貸与などの在宅サービス事業者にも、介護現場の生産性向上による職場環境の改善を図ることが期待できる場合には、補助金を認めることを厚生労働省が都道府県に求めたことがある(図)。その際には、ケアプランデータ連携システムを導入し、年度内に活用することが条件となる。

在宅サービスは「25年度中のケアプランデータ連携システムの利用」が申請要件

 昨年度までは「介護ロボット補助金(重点分野)」「ICT補助金(介護ソフト・インカム・Wi-Fi工事費)」として2つの補助金が設定されていたが、今年度より両補助金が「介護テクノロジー定着支援事業」に統合されることに伴い▽重点分野「介護業務支援」に介護記録から請求まで一気通貫でできる介護ソフトを追加▽インカム導入は「その他」として都道府県の判断で認める▽重点分野のうち見守りセンサーや介護業務支援機器、排泄予測支援機器などのネット回線を使う機器を導入するときは、必要によりWi-Fi工事費・機器導入費(PCやタブレットなど)を含めることができる――としたことで、ICT補助金をもれなく引き継いだ形となった。 
 特に、今年度より在宅サービス事業者への補助を促進するため「25年度中にケアプランデータ連携システムを利用すること」と要件を明確にした。
 ただし、地域医療介護総合確保基金による「介護テクノロジー導入支援事業」や経済産業省「IT導入補助金」などの他の補助金等によって助成されているものは、24年度補正予算の繰り越し実施による「介護テクノロジー定着支援事業」の補助対象外となる。

介護ソフトやバックオフィスシステムなどに注目

 原則として、補助対象は重点分野やその他に該当する機器全般が対象となるが、厚労省は「補助にあたっては、実際の利用場面を十分に勘案して適正な補助を行う」としていることから、居宅介護支援や福祉用具貸与事業者などには介護ソフトやバックオフィスソフト、インカム(屋外でも使えるインターネット経由型)などが中心となると考えられる。
 対象となる介護ソフト(重点分野「介護業務支援」)の判断は、メーカーが提供するカタログ等のほか、厚労省が都道府県に情報提供する「介護ソフトの機能調査結果」を参考にするとされている。具体的には、国民健康保険中央会「ベンダー試験結果」、厚労省「介護ソフトの機能調査結果」で▽「ケアプランデータ連携標準仕様」に準じたCSVファイルの出力・取込機能を有していること▽国保中央会「ケアプランデータ連携システム」の活用促進のためのサポート体制が整っていること ――が確認できるものとされる。
 システム更新の際の移行を迅速に行えるように、介護記録等のデータについては、CSVファイル、JSONファイル等、変換が容易なデータ形式で出力・入力できる機能を備えていることが望ましいとされる。

再入力や転記をなくすことで生産性向上に貢献

 介護事業者全般に共通して、サービス内容を介護記録に残し、実績に基づいて介護報酬として請求することが一連の業務となることから、介護テクノロジー活用により、介護記録から請求までシームレスに、一気通貫で行うこと(再入力や転記等の業務が発生しない)ことが生産性向上の近道となる。
 タブレットやスマホからの情報をインターネットで同期・共有し、キーボード入力などの転記といった事務作業を効率化できる介護ソフトは、そうした反復業務や代替可能な業務を置き換える上で有効となり、介護職にとって働きやすい職場環境改善や利用者の自立支援の促進にもつながる。

関連する記事

2024年度改定速報バナー
web展示会 こちらで好評開催中! シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル