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パナソニックエイジフリー「P1グランプリ」 トイレ環境整備で自立実現・尊厳回復

パナソニックエイジフリー「P1グランプリ」 トイレ環境整備で自立実現・尊厳回復

 パナソニックエイジフリー(大阪府門真市、坂口哲也社長)は1月26日、同社エイジフリーショップが携わった介護リフォームの優秀事例を発表・表彰する「P1グランプリ2025」を開催した。

 同社では、介護ニーズのある住宅のリフォームを、年間約2万5000件手掛ける。担当プランナーが本人の疾病や障がい、介護者の状況などを踏まえて生活課題を把握し、本人・家族の希望する暮らしの実現へ向け、住環境整備・福祉用具の活用などを提案。施工・モニタリングまで伴走支援する。
 P1グランプリ当日は全国から8人のプランナーが集まり、担当事例を発表。ニーズ・課題把握から解決へ向けたリフォームプランの決定、施工後の生活状況までの詳細について、各15分間のプレゼンテーションを行い、外部有識者と社内審査員による審査を経て、優秀3事例が選定された。
最優秀賞に輝いた日埜さん(左)と坂口社長

最優秀賞に輝いた日埜さん(左)と坂口社長

 最優秀賞に選ばれたのは、近畿リフォーム課・日埜有紗さんの事例。
 78歳の妻と二人暮らしのSさん(83歳)は、昨年2月に転倒し腰椎圧迫骨折の重傷を負った。その後要介護認定を受け、介護度は1。夫の身の回り全ての世話を担う妻はバセドウ病の持病もあり、心身両面で負担は小さくない。
 Sさんは、特に段差昇降の際に腰の痛みが強く、下肢筋力低下で歩行もすり足の状態。玄関上がり框の昇降や屋外移動、トイレの出入り・便器からの立ち座りの際に、妻が介助を担っていた。特にトイレ介助には1回15分かかり、失禁も月3回ほど発生するなど、妻の負担は大きく、本人もトイレ動作に不安を抱えていた。
 生活動作に自身を失ったSさんは、トイレ入口の段差が高いことを理由にデイサービスの利用を拒否するなど、家に閉じこもりがちになってしまった。そこで妻は、夫が一人でトイレに行けるように、また掃除も楽にできて明るい雰囲気にしたいと、日埜さんにリフォームの相談を持ちかけた。

 日埜さんは、Sさんの自信・尊厳を回復するため、▽失禁などの失敗をゼロに▽トイレの所要時間を5分以内に──すること、そして一人で全てのトイレ動作ができることを目標に掲げ、トイレ環境の整備を検討。玄関先のリフォームとも合わせて、デイサービスへの参加や外出の機会創出、夫婦のストレス軽減などを目指すプランを提案した。
 トイレのリフォームでは、入口の段差を解消し外開きドアへ取り替え、手すりを設置。また掃除しやすいクッションフロアの採用、温かみのあるデザインの節水型便器への取替えなどを行い、壁面なども全体に明るい木目調で統一した。
 合わせて、玄関上がり框付近と屋外の門扉までのアプローチにも手すりを設置し、安全に外出できるよう環境整備を図った。

 これにより、トイレ動作は劇的に改善。2カ月後のモニタリング時には、Sさん一人でトイレの出入りや便器の立ち座り、排泄など一連の動作が5分でできるようになり、失禁ゼロも実現した。自身を取り戻したSさんは外出への意欲も見せ、今では週1回デイサービスに通い、通院での外出も可能に。妻の休息時間も確保できるようになった。
 日埜さんは、トイレのリフォームが成功体験を積み重ねられるための環境づくりとなり、動作改善だけでなく本人の尊厳回復や夫婦のQOL向上につながった──と報告した。
今回のグランプリに登壇したプランナーの皆さん

今回のグランプリに登壇したプランナーの皆さん

 今回のグランプリではこのほか、九州リノベーション課の半田倫子さんの事例が第2位、北海道・東北リノベーション課の前田光雄さんの発表が第3位に選ばれ、それぞれ表彰を受けた。同社では今後、リフォームの品質向上へ向け、社内外へこれらの取り組みを発信していく。

 同社のリフォーム事例などを紹介する特設サイトは、以下リンクから。

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