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「排泄予測支援機器」販売種目に追加へ

「排泄予測支援機器」販売種目に追加へ

 厚生労働省は11月19日に「福祉用具・住宅改修評価検討会」を開催し、特定福祉用具販売の対象品目に「排泄予測支援機器」を追加することを決めた。具体的な製品名は同検討会では示されないが、「膀胱内の尿の溜まり具合を超音波で測定して可視化するとともに、排尿タイミングを知らせる自立排泄をサポートする機器」としており、すでに市販されている製品では「DFree」(トリプル・ダブリュー・ジャパン)がある。今後、同省の介護給付費分科会の報告・了承を得て、正式に追加になる流れ。※画像は「DFree」

 「排泄予測支援機器」は、今年3月の福祉用具・住宅改修評価検討会で対象に加えるかどうかの検討がされ、「評価検討の継続」と判断された種目の一つ。そこで「排泄のタイミングを認識できるようになることで、失禁の減少やトイレでの自立排尿につながり、自立助長が想定される」「排尿のタイミングを介助者に通知する通信機能を有しているが、排泄予測機能という本来の機能に一体不可分のものとして有効」と一定の有効性や妥当性が認められた。その一方で、在宅利用を想定した課題として、▽対象像ごとの適切な使用方法▽日中活動が活発な利用者や認知症利用者もいる中で、適切に装着して排尿量を計測できる対象像▽特定福祉用具販売とする場合、利用者や家族が継続的かつ適切に利用できるようにするための製品メーカーの具体的なサポート内容――を明らかにするよう、提案者へ求め、継続検討とされた経緯がある。

 これに対し、提案者は今回、①排泄タイミングが不明確で自立排泄が困難な者②トイレまでの移動が難しく、自立排泄が困難な者――と利用対象者を整理。①のうち、尿意が低下した利用者は「本人が機器で尿量を把握し、事前に設定した尿量を感知して排泄のタイミングを知らせることで、適時にトイレに移動し排泄する」、認知機能が低下した利用者に対しては「介助者が尿量を感知した通知により、排泄の声かけやトイレ誘導を行い、排泄を促す」など対象別に想定される使用法を提示した。導入効果については、「アラートを発する機器を持つことやトイレ誘導の手間はあるものの無駄なトイレ誘導の負担が軽減される」という実際の介護者のコメントを紹介したほか、認知症グループホーム利用者12人について、1日当たりの平均失禁回数が1.45回から0.99回に減り、32%改善したとの実証データも示した。

 これを受けて、同検討会は「実証が、認知症グループホームにおけるものであるため、得られた効果に懸念を示す意見もある一方、在宅の利用環境を想定し、実証で明らかになった結果(効果、利用者像、使用方法)などとして適切とする意見が多かった」として、販売種目対象に追加すると結論付けた。

 排泄予測支援機器のほか、現在「評価検討の継続」とされているのは、①シャワーアーム付属の入浴用いす②片麻痺用歩行器③装着型機能訓練支援機器(腰部装着訓練型)④見守り支援機器――の4種目ある。これらについても、必要なデータやエビデンスが整理され次第、随時検討を行う。

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