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有老ホーム登録制 政省令で対象・基準具体化へ

 有料老人ホームに新たな登録制を導入する改正老人福祉法が成立し、厚労省は7月15日の全国介護保険担当課長会議と同29日の「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」で、制度移行に向けた考え方を示した。「一定以上の介護等を必要とする高齢者が居住する住まい」を対象に、登録基準や人員・施設・運営に関する基準を政省令で具体化する。施行日は公布後2年以内。国は現存ホームの大半が対象になると見込む。新設の登録施設介護支援はみなし指定となる見通しだ。

 登録制導入の背景には、住宅型ホームで入居者の重度化が進む一方、介護付きホームと異なり、法令上の人員・施設・運営に関する基準が十分に整備されていないことがある。24年調査では、住宅型で要介護3以上が約56%を占め、介護付きの約42%を上回った。併設・関連する訪問介護などへ限定・誘導する「囲い込み」による過剰サービスや、ケアマネジャーの中立性の低下も課題だ。有料老人ホームの定義に関わる「食事の提供」の範囲も明確化する。

 改正法は、中重度の要介護者など、特に保護の必要性が高い人を入居させ、介護等を提供するホームに都道府県知事の登録を義務付ける。対象は住宅型と介護付きの双方で、現在の入居者の状態ではなく、ホームの入居対象・入居要件で判断する。現在は中重度者がいなくても、重度化後も住み続けられるホームは対象となる方向だ。認知症、医療的ケア、難病など複合的ニーズの扱いは今後詰める。介護保険事業計画では、有料老人ホームの入居定員総数を勘案し、立地適正化計画との関係を明記するなど、まちづくりとの連動を強める。必要な介護が特定施設と変わらない場合は、特定施設への移行も促す。

 登録は5年ごとの更新制となる。入居契約は書面で締結し、不当な条件を付さないことが登録基準。必要な職員と員数、設備、運営などは都道府県条例で定める。条例制定では、職員・員数や、介護サービスの適切な利用、入居者の適切な処遇・安全確保、秘密保持など、厚生労働省令で定める基準に従うべき事項と、その他の同省令基準を参酌する事項に分かれる。契約前の書面交付・説明など設置者が遵守すべき事項も法定化する。違反には改善命令、事業制限・停止、登録取消しがあり、取消事業者等は原則5年間、再登録できない。

 登録対象の住宅型ホームには「囲い込み」対策として、特定の介護サービス事業者の利用を入居要件とすることを禁じる。ケアマネジメントの独立性に関する方針の策定・公表、住まい事業と介護サービス事業の区分経理なども求める。これらは、入居者の尊厳の保持や適切な処遇の確保、サービスを自由に選ぶ権利を守るための遵守すべき事項となる。人員・運営基準は現行の標準指導指針を土台とし、指針を守るホームに過度な負担とならない水準を想定するが、夜間・緊急時の職員配置などは今後検討する。

登録施設介護支援 みなし指定に

 併せて、登録対象となる住宅型ホームの入居者に、新たな相談支援「登録施設介護支援」を創設する。従来のケアプラン作成と介護サービス調整に、地域活動への参加などを支える「地域生活相談」を加え、ケアマネジャーがホームと対等な立場で支援する。利用者負担は原則1割(2・3割)で、高額介護サービス費の対象。施行日は公布後3年以内とする。既存の居宅介護支援事業者は、別段の申出をしない限り、最長6年の範囲で指定を受けたものとみなす。人員基準と報酬は介護給付費分科会などで今後検討する。

 既存の登録対象ホームには、施行後最長1年6カ月の経過措置を設ける。都道府県は施行後1年以内に条例を整備し、それまでは国の基準を条例基準とみなす。厚労省は26年度中に電子申請・届出システムと情報公表システムの改修を進め、登録対象ホームは設置届と登録申請を二重に行わず、登録申請(届出)に一本化する。入居者紹介では、事業者団体の紹介事業者届出公表制度を前提に、優良事業者を認定する仕組みも検討する。事業者には、契約、重要事項説明、夜間体制、事故・虐待防止、関連事業所との関係、会計区分の先行点検が求められる。

(シルバー産業新聞2026年8月10日号)

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