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日本介護支援専門員協会調査 人事評価制度の「段階的導入」提起

日本介護支援専門員協会調査 人事評価制度の「段階的導入」提起

 日本介護支援専門員協会(柴口里則会長)は5月27日、昨年度実施した「介護支援専門員の人事評価制度に関する実態調査」と「居宅介護支援事業所におけるICT活用に関する実態調査」の報告書を公表した。単独での業務が多く、管理者による状況把握が困難なケアマネジャーの適正な評価や、居宅介護支援事業所でのICTツールの活用状況について現場の実態を探った。同協会は今回得られた結果を、今後の介護報酬改定における要望や、具体的な支援策を検討するための基礎資料として活用する。

人事評価、導入率は全体で54%

 人事評価制度に関する調査では、評価側(管理者)と被評価側(介護支援専門員)を分けて集計・分析を行った。調査結果によると、人事評価制度を運用している事業所は全体の54.2%と半数強を占め、現場の対応は二分されている。

 規模別にみると、法人職員数20人未満で導入率15.2%にとどまる一方、100人以上300人未満で60.0%、500人以上で67.0%に達し、規模が大きいほど高くなっている。自由記述の回答をみても、未導入の理由に「少人数では難しい」といった人員不足を挙げる声が多かった。「単に経営者の経営判断の問題ではなく、人的資源や組織体制の制約といった構造的課題によるもの」と同協会は背景を分析する。

 そこで報告書では、人事評価制度の普及に向けて事業所規模に応じた「段階的導入モデル」の整備を提言。具体的には、評価項目を絞った簡易様式や短時間で実施できる運用マニュアル、年1回の評価で完結するモデルなど、初期の事務負担を抑える仕組みを提示することが有効だとする。その上で、同協会はこうした小規模事業所の導入ハードルを下げる取り組みを主導していく方針だ。

 同協会の七種秀樹副会長は、人事評価の運用に取り組む事業所への報酬上の評価についても言及。具体的な提案内容は未定としつつも、一例として特定事業所加算の算定要件への組み込みを挙げた。単なる要件追加による現場の負担増を避けるため、「実態にそぐわない既存要件との入れ替え」も含めて協会内で議論している段階と説明している。

ICT化阻む「人的・運用上の課題」

 同時に公表されたICT活用に関する実態調査では、現場におけるICT活用の課題として、職員のICTスキル不足や時間的制約、日々の業務負担といった「人的・運用上の課題」が多く確認された。

 その一方で、「興味はあるが手が回らない」「今後は積極的に活用したい」といった回答もみられ、ICTそのものへの強い拒否感は限定的だったと分析する。また、こうしたICT活用に対する支援ニーズについては、事業所の規模や開設主体といった属性による大きな差はなく、多くの事業所に共通する「基盤的課題」として存在していると指摘する。

 今後の方向性を示した提言では、サポートのあり方を「導入支援」から「活用支援」へと転換する必要性を強調。具体的には▽ICTリテラシーの向上支援▽補助金活用支援の強化▽ケアマネジメント支援や多職種連携の活用事例の整理――などの総合的な支援体制の構築が必要になるとまとめている。

(シルバー産業新聞2026年6月10日号)

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