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21年改定【訪問看護】退院日の算定拡大/リハ職の訪問適正化

21年改定【訪問看護】退院日の算定拡大/リハ職の訪問適正化

 厚生労働省は10月22日に社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・埼玉県立大学理事長)を開催し、次期2021年介護報酬改定について訪問系サービスの論点、検討の方向性を示した。訪問看護では、退院時の円滑な在宅支援へ退院日の算定対象者の拡大や、また理学療法士等による訪問の見直しを提案した。

①退院当日の訪問看護を一定条件の下認める

 退院後の在宅療養へのスムーズな移行をはかる観点から、現行では特別管理加算の対象者のみ認められている退院当日の訪問看護について、一定の条件の下、対象者を拡大する。同省の調査では、退院当日に訪問が必要だった処置として多く挙がったのが「服薬援助」(45.0%)、「心理的支援」(38.0%)、「疼痛の管理」(19.0%)など。日本看護協会・岡島さおり常任理事は「痛みやバイタルチェック、生活環境の急変における認知症状の悪化リスクなど、早期に看護が介入すべき利用者は多い」と述べ、必要な措置だと賛同を示した。

 「一定の条件」については、診療報酬を参考に設定するとのこと。診療報酬でも原則、退院日の訪問看護は算定できないが、厚労大臣が定める疾病または状態等に該当する場合に、「退院支援指導加算」を退院日翌日以降の訪問看護の際に算定できる。

②看護体制強化加算の要件の一つ、特別管理加算の算定実績要件を緩和

 医療重度者への対応やターミナルケアの実施を評価する看護体制強化加算の算定率は、19年12月時点で加算Ⅰが2.6%、加算Ⅱが4.7%と低調。算定できない理由で最も多かったのが「特別管理加算の対象者が少ない」(55.0%)となっている。

 看護体制強化加算の要件では「算定月の前6カ月間の利用者総数のうち、特別管理加算を算定した割合が30%以上」とされているが、訪問看護ステーションでこれを満たしている事業所は20%に満たない。同省は「実態に即した加算へ見直す」とし、要件の緩和が見込まれる。

③理学療法士等の訪問の評価、要件の見直し

 訪問看護の一環として提供する理学療法士等による訪問は、15年を境に看護職員の訪問回数を上回り、19年4月時点で全訪問回数の53.9%を占める。理学療法士等が10人以上の事業所数は09年~17年の8年間で約10倍に増加している。

 同省は▽理学療法士等の訪問が多い事業所では医療的処置・ケアが少ない▽予防訪問看護の理学療法士等による訪問の目的で多いのが「ADLの維持・低下防止」「運動器の機能向上」▽市町村の介護予防・日常生活支援総合事業の訪問C型「短期集中予防サービス」を提供する専門職の6割以上が理学療法士等――などの実態を示した上で、「役割を踏まえたサービスが提供されるようにする観点から、理学療法士等によるサービス提供の状況等も踏まえて、各種加算も含めた評価の要件や内容について見直しを検討」とした。

 なお、20年診療報酬改定では、中・大規模ステーションを評価する機能強化型訪問看護の人員要件に「看護職員が6割以上」が追加。委員からは、同様の基準を介護報酬でも設けるべきとの意見が相次いだ。さらに、予防訪問看護における理学療法士等の訪問は、予防訪問・通所リハビリや介護予防・日常生活支援総合事業へ移行すべきとの指摘も。その一方で、「軽度者はリハ職、重度者は看護師という使い分けは自然の流れであり、利用者・家族が選択している。決して不適切なケアではない」(日本慢性期医療協会・武久洋三会長)と現行のしくみを支持する意見もあった。

第189回社会保障審議会介護給付費分科会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14240.html

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