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岡山市 ケアマネインセンティブ事業 専門職同行でケアマネジメントに気づき

岡山市 ケアマネインセンティブ事業 専門職同行でケアマネジメントに気づき

 岡山市は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに理学療法士・作業療法士、歯科衛生士、管理栄養士が同行し、利用者の生活環境や身体状況を踏まえて助言する「ケアマネインセンティブ事業」を実施している。専門職の知見を個別のケアプランに反映するだけでなく、事業所内で共有し、ケアマネジメント全体の質を高めることが狙いだ。利用者の状態の維持・改善などを評価し、成績上位10事業所に10万円の奨励金を支給する。

 岡山市は、政令指定都市中、人口当たりの病院や通所介護、通所リハビリ事業所などの医療・介護資源が多い。

 国の「地域活性化総合特区」の指定を受け、在宅介護に関する取り組みを進めている。

専門職が計6回同行訪問

 ケアマネインセンティブ事業は、その施策の一つとして2024年度に始まり、今年で3年目を迎えた。

 参加する居宅介護支援事業所は、半年間、市が派遣する理学療法士または作業療法士、歯科衛生士、管理栄養士による同行訪問を、それぞれ2回ずつ受けられる。支援回数は1事業所当たり計6回。対象者は事業所が選定し、同じ利用者を複数回訪問しても、毎回異なる利用者を選んでもよい。

 「24年度は22事業所、25年度は19事業所、26年度は18事業所が参加した。市内には約250カ所の居宅介護支援事業所がある。参加を広げるため、周知方法や参加事業所の事務負担の見直しを続けたい」と岡山市医療政策推進課の服部室長は話す。

専門知識を事業所全体へ

 同行する専門職は、利用者に直接サービスを提供するのではなく、ケアマネジャーに対して助言する。

 服部室長は「居宅療養管理指導や訪問リハビリテーションとの違いを明確にし、一人の利用者への支援から得た知見を、ほかの利用者や同僚のケアマネジャーにも広げることを重視している」と説明する。

 事業所の評価はバーセル・インデックスを使用し、同行訪問の対象者だけでなく、全利用者について6月と12月の2回実施する。▽利用者の状態の維持・改善▽ケアプランの見直し▽要支援者の受け入れ▽困難事例への対応▽インフォーマルサービスの活用▽外部研修への参加――などを評価し、上位事業所を表彰する。

福祉用具活用口腔ケア改善も

 助言例として、理学療法士・作業療法士からは、転倒予防に向けた住環境の整備、手すりや歩行補助具の選定、体操、日常生活動作など。実際に、シャワーチェアや浴槽用福祉用具、歩行補助具を見直したほか、訪問リハビリテーションの導入につながった事例もあった。

 歯科衛生士が同行した90歳の利用者のケースでは、ケアマネジャーが義歯の作製を検討していたが、残存歯の状態を確認した歯科衛生士は、型取りの際に歯が抜ける可能性があると指摘。残っている歯をフロスや歯ブラシを使って守る方法を提案した。

 同課の大熊主事は「ケアマネジャーだけでは得にくい知識であり、ほかの利用者への支援にも活かせる」と効果を説明する。

質向上と負担軽減で参加促す

 一方、全利用者の状態を調べる作業については、参加事業所から負担が大きいとの声も上がっている。同課の青野主任は「調査票の記入負担を増やさないよう、岡山市が介護保険レセプトから把握できる項目については、市がデータを取得して評価している」と説明する。

 市は事業終了後に岡山県介護支援専門員協会との協議や参加事業所へのヒアリングにより、評価指標の見直しや事務手続きの簡素化について改善を行ってきた。

 服部室長は「資格を持ちながら離職している専門職に活動の機会を提供することで、復職や地域人材の活用につながる効果もある。参加の事務負担のハードルを下げながら、ケアマネジメントの質を高めるという目的を達成していきたい」と展望を語る。
(シルバー産業新聞2026年8月10日号)

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