同品は、大阪大学が研究し解明した「ＭＡ―ＴＳｙｓｔｅｍ（エムエーティーシステム）」を採用した除菌消臭剤（要時生成型亜塩素酸イオン水溶液）。ほぼ水に近い状態の溶液で、ウイルスや菌が存在する時だけ有効成分「水性ラジカル」が生成され、ウイルスなどを除去する。

　幅広く様々なウイルス・菌を取り除き、アンモニア臭やタバコ臭などにおいの元も分解し消臭する。福祉用具貸与事業者での消毒にも活用され、安全性や除菌・消臭能力の高さが定評を得ている。

　同品は、シルバーサービス振興会の「福祉用具消毒工程管理認定制度」が認める適正な消毒方法の基準をクリアし、このほど９年ぶりに改訂された「安全な福祉用具貸与のための消毒ハンドブック」（改訂四版）の薬剤一覧にも掲載された。

　福祉用具貸与卸大手の豊通オールライフでは、昨年５月に大阪レンタルセンターの倉庫拡張を機に同品を一次消毒に採用。貸与商材の消毒工程に十分な除菌・消臭能力が確認できたことから、他のセンターでも順次導入し、現在６カ所のセンターで活用している。
　問合せは、豊通オールライフ購買・品質管理部（☎０５２・５３３・５１８２）まで。

　京都府と周辺一部地域で介護保険のレンタル・販売・住宅改修、階段昇降機の制度外レンタルなどを展開するスマイルケア（京都府長岡京市、荒井隆志社長）は、昨年末にレンタル商品の一次消毒に「アクアクリエイトデオ」を採用した。

　本社事務所の１階にあるレンタル管理倉庫には、毎日利用者宅から回収した様々な福祉用具が運び込まれてくる。営業車から降ろしたレンタル商品で一次消毒庫が満たされると、スタッフは扉を閉め、噴霧器を使って消毒剤を隅々まで行き渡らせる。

　「以前は一次消毒にアルコール系の溶剤を使っていて、マスクをしていても、むせるような独特の薬品臭があった。噴霧する数分間は消毒庫にいる必要があるため、従業員の身体への影響が気になっていた」と同社の曽我賢志部長。

　そんな中、昨秋に東京であった展示会「ＨＣＲ」を訪れた曽我さんは、豊通オールライフのブースで、同社が先行採用していたアクアクリエイトデオを紹介された。「『ほぼ水で除菌・消臭力が高い』と説明を受けても半信半疑だった」が、スプレー容器に入ったサンプルを持ち帰り、寝具に吹きかけると染みついたにおいが消えたことから、自社の貸与商品の消毒へ試用することを提案。その後、何度かデモを繰り返し正式採用に至った。

　「噴霧すると水のミストで庫内が満たされるような状態で、アルコール系溶剤のようなきついにおいや皮膚への刺激がほとんどなく、作業中の安全性が高まった。福祉用具の消毒も十分にできており、商品を腐食させたりする心配などもなく、安心して使える」と曽我さんは評価する。

　同社では、福祉用具の納品・回収に使う営業車の荷室の消毒にもアクアクリエイトデオを活用するなど、より安心・安全なレンタル商品の提供に努めている。


（シルバー産業新聞２０２４年７月１０日号）