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イーアス 「できる」を実現する福祉用具提案

イーアス 「できる」を実現する福祉用具提案

 福祉用具貸与事業所イーアス(埼玉県越谷市、武田二郎社長)は利用者のできる能力を活かした福祉用具提案で、自立した生活を支援している。

 加賀美一さん(要支援2)は頚椎症性脊髄症による手足のしびれや、足の関節が外れやすいことでの転倒で入院していた。

 リハビリを終え昨年8月に退院した際、同社が自宅での福祉用具の選定に関わった。入院時は車いすを使っていたが、退院時には歩行器を使った自立歩行ができるまで改善していた。

 しかし、ベッドからの起き上がりは首や腰への負担が大きく、1人では困難だったため、ひじ台付き据え置き型手すり「オキルンバー360」(製造・販売:イーアス)を選定した。

 同品はひじ台に押し当てたひじを支点に、テコの原理でスムーズな起き上がりを支援して、最小限の負荷で自立した起き上がりに繋げる。

 同事業所の福祉用具専門相談員・橋本和昭さんは「病院では特殊寝台の背上げ機能で起き上がれていたので、在宅でも特殊寝台を使うことはできた。しかし、手すりを使えば、本人の残った能力で自力での起き上がりができると考え、今回の選定に至った」と説明する。
縦手すりとヒジ台で自立した起き上がりを支援

縦手すりとヒジ台で自立した起き上がりを支援

1日の始まりは起き上がりから

 取材当日、加賀美さんは、寝た状態からオキルンバーの縦手すりを両手で掴み、身体を引き寄せるように回転し、スムーズに起き上がる様子を見せてくれた。

 「1日は起き上がることから始まります。以前は1人では何もできませんでしたが、今は自分の力で起き上がれることが、とても嬉しい。オキルンバーは私にとって欠かせない福祉用具です」と加賀美さんは話す。

 当初はベッドからの起き上がり・歩行に不安があったが、現在は夜間も1人でトイレへの移動を実現している。

 このほか、靴を履く際や立ち上がりに使うため、玄関の上がり框にも手すりを設置。1本杖を使い毎日15~30分かけて家の近くを散歩している。

 柏東口地域包括支援センターの村本浩子さんは「退院後は1人で歩けなかったので、半年後の今、1人で散歩ができることはとてもすごい。住民の集いの場の運営など、町内会活動も再開するなど、本人の活動の幅も広がっている」と感心する。

 現在は自宅近辺の散歩が中心だが、今後はバスなどの交通機関を使った移動が目標という加賀美さん。「バスの乗降時の段差や隙間が不安でまだ乗れていない。人の手を借りず、自分の足で出かけられるようになりたいです」と目標と語る。

 商品に関する問合せはイーアス(TEL048・967・5210)まで。
「オキルンバーがないと1日が始まらない」と加賀美さん

「オキルンバーがないと1日が始まらない」と加賀美さん

(シルバー産業新聞2023年6月10日号)

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