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ケアマネアンケート 福祉用具選択制「評価できる」71%

ケアマネアンケート 福祉用具選択制「評価できる」71%

 次期報酬改定で、一部の福祉用具貸与種目において貸与か販売のいずれかを選べる「選択制」を導入する方針が決定した。これに対し、本紙では10月~11月にかけて全国のケアマネジャーを対象に「選択制の導入」についてアンケートを実施。197件の回答が得られた。「利用者が貸与か販売を選べる『選択制』の導入についてどう思うか」の問いに対し、「評価できる」と答えたケアマネジャーは71%、「評価できない」は25%と、多くのケアマネが選択制の導入を評価すると回答。その一方で、「利用者に対して、『貸与』と『販売』のどちらを提案するか」という問いに対しては、「貸与を提案する」と答えたのが75%と、これまでどおり「貸与」の提案を考えるケアマネが多くいることが分かった。

Q1 利用者が貸与か販売を選べる「選択制」の導入について

 厚労省は11月8日、「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」の議論の取りまとめを行い、翌週16日の介護給付費分科会で提案。「選択制」導入について委員から大筋で了承が得られた。対象となるのは、①固定用スロープ②歩行器③単点づえ④多点づえ――の4種類。

 アンケートでは、まず、「選択制」導入への評価を尋ねた。その結果、「評価できる」と答えたケアマネジャーは71%、「評価できない」は25%と、多くのケアマネが「選択制」導入を評価する結果となった。

 その理由を自由記述で尋ねたところ、「評価できる」と答えた人のうち、4分の1程度が、利用者の選択の幅が広がることを理由にあげた。「介護保険は本人の意思決定が前提であるため、選択制は大事だと思う」(宮崎県、女性)、「対象者や家族にそれぞれ思いがある中、選択肢があるのは喜ばれると思う」(京都府、男性)などの意見があった。

 また、すでに利用者が購入を希望しているケースがあるとの意見もあった。「利用者の中には、購入したいとの意向の人も多々いる。基本は貸与でいいと思うが、ケースバイケースで考えられる方が利用しやすいのでは」(長野県、女性)、「レンタルでお金を払い続けることに抵抗のある高齢者もいる。自分のものにする安心感が強い」(東京都、女性)、「年齢や身体状況によって、長期にわたり使用すると思われる場合は、購入したいと考える人が実際にいた」(大阪府、女性)などの声が寄せられた。

 この他の意見では、「福祉用具貸与のみの利用でプランを作成している利用者に購入の提案ができれば、ケアマネの負担も減らせるのではないか」(宮崎県、女性)、「購入は様々な弊害も懸念されると思うが、貸与で何年間も同じ用具を使い続ける利用者も非常に多いため、介護給付費の抑制につながるのではないかと思う」(群馬県、女性)など、ケアマネの業務負担軽減や制度の持続可能性の観点から評価する意見もみられた。

 一方、「選択制」導入を「評価できない」と答えた意見で特に多かったのが、「常に変化する利用者の状況に応じて福祉用具の選択が必要になるため、販売の選択制は必要ないと思う」(大阪府、女性)、「わずかな金額でも使わずにいられる方が良い。状況も刻一刻と変化するので選択制にすべきではない」(大阪府、男性)など、利用者の状態変化に合わせた提案をする上で「選択制」は望ましくないという意見が多くを占めた

Q2 利用者に対して、「貸与」と「販売」のどちらを提案するか

 次に、利用者の状態像や経済状況などの条件がこれまでと全く同じだと仮定した場合、「貸与」と「販売」のどちらを提案するかについても質問。その結果「貸与を提案する」が75%、「販売を提案する」が11%と、これまでどおり「貸与」を提案する考えを持つケアマネが多くいることが分かった。

 自由記述で圧倒的に多かったのは「定期的に点検が受けられ、状態の変化に合わせて適切な用具を提供することができるから」(京都府、男性)といった、状態変化に応じて専門職が介入し、最も適した用具を提供できることが重要とする意見。

 他には「ある程度の年金収入等があれば購入もすすめるが、そうでない場合は月々の負担の少ないレンタルを提案する」(宮崎県、女性)など、経済的負担を考慮した意見や、「貸与なら途中でのトラブル(故障や不要変更)対応が可能。年齢的に終活を考える人も多く、その場合、ゴミ問題の対策にもなると思う」(京都府、女性)といった、廃棄で生じる問題に目を向けた意見なども寄せられた。

 今回のアンケートから、現場のケアマネは、利用者の選択の幅を広げる考えについては評価しているものの、実際には利用者の状態に応じて適時・適切に必要な用具を提供できる「貸与」を提案する考えを持っている人が多くいることが分かった。
(シルバー産業新聞2023年12月10日号)

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