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介護福祉士養成校入学 定員の5割切る

介護福祉士養成校入学 定員の5割切る

 「コムスンショック」以来 介護福祉士養成施設(以下、養成校)の2016年度の入学者数は7752人で入学定員の半数を下回った。定員充足率が50%を切るのは、「コムスンショック」の影響を受けた08年度以来だ。入学者の数は07年度から10年足らずで半分以下になり、全国に377校ある養成校は定員枠の縮小を続けている。

コムスンショック以来

 全国の養成校で構成される日本介護福祉士養成施設協会の千葉一也事務局長は、「現状は非常に厳しく、回復もなかなか見込めない状況」と懸念を隠さず、今年度はさらに厳しくなる可能性もあると話す。

 千葉局長は、現状について「第一に介護で働きたいという人自体が減っている。最大の要因はやはり賃金の低さだろう。他産業と比べても大きな差がある」と分析する。また介護福祉士資格の取得方法は見直され、前回の試験から実務経験ルートでは最大450時間の実務者研修受講が義務化され、今後は養成校ルートにも5年間の移行期間を経て、国試合格が必須となる。

 千葉局長は、見直し自体は質向上を目指すうえで否定するものではないと前置きしたうえで、「現場では介護福祉士資格の有無で職務が明確に区分されているわけではない。また資格手当を支給する事業者も多いが、資格のない職員との差は縮まってきているとも聞く。人手確保のため、資格の有無や質を問えないのが実情だ。資格に見合う給与や職務が得られていない」と指摘。介護福祉士資格の魅力や取得するメリットが低下しているという。

 「そうした中で、わざわざ養成校に通って介護福祉士を目指そうという人も少なくなる。養成校は入学金も含めると2年間でおよそ200万円の学費が必要だ。同じ資格が取れるならば、現場で働いて収入を得ながら目指すほうがよいと考えるのではないか」(千葉局長)。

 「混然一体とした現状を打ち破るため」、同協会が提案するのが「管理介護福祉士(仮称)」という上級資格の新設だ。現行の介護福祉士養成課程に1750時間を上乗せした合計3600時間の教育課程を学び、サービスマネジメントや職場での指導、地域包括ケア推進などの職業能力を身に付けるという。

 「国が目指す富士山型の標高を高めるのが、管理介護福祉士だ。より充実した教育課程を経た質の高い人材には、能力に応じた処遇や職務が与えられる。そうした方向を示さなければならない」と千葉局長は訴える。

(シルバー産業新聞2017年4月10日号)

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