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ウェルファン 総合カタログ2本立てに

ウェルファン 総合カタログ2本立てに

 福祉用具販売卸大手のウェルファン(大阪府寝屋川市、清水義生社長)は、2024年4月にウィズ(大阪府吹田市、片野雅史社長)の福祉用具卸事業とナーシングラッグ等のオリジナル商品の製造販売事業(メーカー事業)を継承した。これにより、同社総合カタログは「福祉用具便利帖」「ベストケア(ホームヘルスケア)」の2冊体制となった。清水社長は「従来の『福祉用具便利帖』は福祉用具事業者などプロユース向けに掲載点数の幅広さを追求し、『ベストケア』はコマ割りを大きく分かりやすくした。プロユースの使い勝手を尊重しながらエンドユーザー向けなどに選びやすさも目指す」と話す。

 「ベストケア」は、2022年11月にウィズが、老舗カタログ卸のフォーライフ・メディカルより事業継承をした「ホームヘルスケア」カタログと統合したものであり、今年4月にウェルファンが再度継承をする変遷をたどった。

 福祉用具卸大手として成長する同社は、競合大手カタログと掲載点数やプロ向けの書き込みの丁寧さなどを競って事業拡大を続けてきたが、福祉用具事業者以外のケアマネジャーや利用者本人・家族からは、「文字や写真が小さい」「持ち運びには重い(ページ数が多すぎる)」などの声もあった。

 そうした中、ベストケアの編集方針「介護用品を使う人の入口として、カタログのイメージと実際に手にした用具にギャップを感じさせないように伝える。掲載点数の多さは競わない」は大手販売卸カタログにはない長所である点に注目し、両カタログのすみ分けは可能とされた。

 「福祉用具事業者のビジネスに合わせて、どちらのカタログを、どのように使用するかを選んでいただきたい。誰にとって価値のあるカタログかを見失わないように制作する」と清水社長。

 ケアマネジャー・施設向けの「福祉用具便利帖」は298ページ(Vol.44)で、ユーザー使用も想定した「ベストケア」は218ぺージ(Vol.24)。掲載点数は福祉用具便利帖が約1.5倍となる。

それぞれのカタログ制作に独立性

 両カタログの特長を伸ばすために、商品番号や物流体制の共通化に留め、福祉用具便利帖とは制作担当・オフィスを分け、ベストケア事業部(商品選定・編集)として独立性をもたせた。

 フォーライフ・メディカル時代よりカタログ編集に携わる高境秀氏は「商品選定は自分が使う年齢になったときいいなと思うものであるか、周りの誰かに勧めたいと思うものであるかを基準にしている。根底には『あなたの笑顔が見たいから』(フォーライフ・メディカル)、『わかりやすく選びやすい』(ウィズ)のモットーが貫徹されている」と説明する。

 表紙のレイアウトは大胆にメリハリを利かせ、キャッチコピーの追加や読みやすい説明文を心掛ける。必要なものを必要な人に伝えるように、用具をより身近に感じてもらうことを目指す。

 ベストケア事業部の内海宏紀課長は「事業継承直後の5月よりカタログ制作が始まった。メンバーで役割分担し、紙面づくりと取引メーカーとの折衝など、ギリギリまでかかって無事発刊できた。『今年も発刊してくれて安心した』と毎年カタログを利用いただいている人の声をいただいて、期待されていることを実感した」と話す。
表紙は毎年変化。用具のイメージ写真が大きく、使用シーンの想定しやすさを重視。

表紙は毎年変化。用具のイメージ写真が大きく、使用シーンの想定しやすさを重視。

(シルバー産業新聞2024年11月10日号)

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