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最新デジタル化で業務改善 ~キヤノンシステムアンドサポートの伴走支援~
介護老人保健施設みやびの里(さいたま市、医療法人社団誠恵会)は今年で開設20年目を迎える。老朽化したナースコールの更新を機に昨年、業務全体のデジタル化に踏み切った。
「国が生産性向上を掲げる中、以前から必要だと考えていた部分です。まもなく20年の節目を迎え、投資すべきタイミングだと判断しました」と原裕樹事務長は話す。キヤノンシステムアンドサポート協力のもと、補助金も活用し、デモ試用から選定・導入にこぎつけた。
業務効率の面で最も変化が大きかったのが介護記録。これまでは全て紙へ手書きし、事務室のパソコンへ入力していたのが、介護記録ソフト導入後は入力時間が大幅に短縮、かつ転記作業もほぼなくなった。
例えば排泄ケアの場合、ふだん使用する排泄用品カートにタブレット端末を積み込み、おむつ交換やトイレ誘導に持参。ケア終了後にその場で入力・記録する。介護係長の堀恒二郎さん(ケアマネジャー)は「日々発生する食事・排泄記録の転記や、夜勤終了時に行う1日の生活記録の集計・転記作業がなくなったのは、職員の負担軽減に大きく貢献しています」と評価する。
業務効率の面で最も変化が大きかったのが介護記録。これまでは全て紙へ手書きし、事務室のパソコンへ入力していたのが、介護記録ソフト導入後は入力時間が大幅に短縮、かつ転記作業もほぼなくなった。
例えば排泄ケアの場合、ふだん使用する排泄用品カートにタブレット端末を積み込み、おむつ交換やトイレ誘導に持参。ケア終了後にその場で入力・記録する。介護係長の堀恒二郎さん(ケアマネジャー)は「日々発生する食事・排泄記録の転記や、夜勤終了時に行う1日の生活記録の集計・転記作業がなくなったのは、職員の負担軽減に大きく貢献しています」と評価する。
フロア間での情報共有も瞬時に
同施設では短期集中個別リハビリに力を入れており、短期集中期は週6回のリハビリを提供する。1階には通所リハビリテーションを併設し、また訪問リハビリも積極的。理学療法士、作業療法士に加え、言語聴覚士も3人所属し、摂食・嚥下機能の維持・改善が必要な利用者も受け入れられるのが特長だ。
2、3階の入所者も1階のリハビリ室を利用するが、以前はまず、入所者の生活状況やケア記録を確認するため、書類が保管されてある2、3階の各居住フロアへ足を運ぶ必要があったという。今では手元のタブレットで容易に確認・共有が行える。
リハビリを例に、施設内で多職種がそれぞれ違う時間・場所で入所者と接するからこそ、職種間の情報共有にも介護記録ソフトが効果を発揮している。
2、3階の入所者も1階のリハビリ室を利用するが、以前はまず、入所者の生活状況やケア記録を確認するため、書類が保管されてある2、3階の各居住フロアへ足を運ぶ必要があったという。今では手元のタブレットで容易に確認・共有が行える。
リハビリを例に、施設内で多職種がそれぞれ違う時間・場所で入所者と接するからこそ、職種間の情報共有にも介護記録ソフトが効果を発揮している。
活用はかる専門委員会
堀さんは介護記録ソフトについて「これまでの手書きの様式に近かったことが幸いしました。直感的な操作性が良く、業務にも馴染みやすかった」と評価する。
運用にあたっては、職員が使いこなせるよう各居住フロアの主任クラスや若手職員で構成される専門委員会を立上げた。操作・入力方法の情報共有を行うことで、使い方の統一化やより良い活用の意見交換につなげてきた。ICTの苦手な職員へのレクチャーも委員会メンバーが担っている。
「とはいえ、完全デジタル化にはまだまだ道半ばです」と堀さん。事故報告や服薬情報など、ソフト上に様式は存在するが、まだ紙での記録に頼る項目も幾つかある。「介護記録ソフトの専門委員会も、やがては『ICT委員会』のような立ち位置にし、見守り機器などとの連携も含めトータルで効果的な使い方を追求していきたいです」(堀さん)。
原さんは「職員の年齢層も幅広い。かえって一気に変えなかったことが良かったと思います。少しずつ慣れていくために必要な過程です」と述べる。
運用にあたっては、職員が使いこなせるよう各居住フロアの主任クラスや若手職員で構成される専門委員会を立上げた。操作・入力方法の情報共有を行うことで、使い方の統一化やより良い活用の意見交換につなげてきた。ICTの苦手な職員へのレクチャーも委員会メンバーが担っている。
「とはいえ、完全デジタル化にはまだまだ道半ばです」と堀さん。事故報告や服薬情報など、ソフト上に様式は存在するが、まだ紙での記録に頼る項目も幾つかある。「介護記録ソフトの専門委員会も、やがては『ICT委員会』のような立ち位置にし、見守り機器などとの連携も含めトータルで効果的な使い方を追求していきたいです」(堀さん)。
原さんは「職員の年齢層も幅広い。かえって一気に変えなかったことが良かったと思います。少しずつ慣れていくために必要な過程です」と述べる。
手元での映像確認で訪室の負担軽減
見守り機器はカメラで体動を把握できるタイプを導入。映像でベッド上の状態は視認できるが、シルエット映像のため個人の特定までは行わない、プライバシーに配慮した製品だ。既存のマットセンサー、人感センサーと共に、転倒・徘徊リスクのある入所者へ主に夜間使用する。
今まではナースコールが鳴ると、訪室しなければ状態を確認できなかった。「居住フロアはとても広いので、事務室からの距離が遠い居室も多く、移動の負担になっていました」と原さん。見守り機器の映像をスマートフォンで確認し、駆けつけの判断を行うようになって以降は、訪室が2~3割減ったと導入成果を話す。
特に新型コロナウイルス感染症拡大時は、訪室のたびに防護服等の感染対策用品を使用していたが、それらの不必要な消耗を避けることにもつながった。
今まではナースコールが鳴ると、訪室しなければ状態を確認できなかった。「居住フロアはとても広いので、事務室からの距離が遠い居室も多く、移動の負担になっていました」と原さん。見守り機器の映像をスマートフォンで確認し、駆けつけの判断を行うようになって以降は、訪室が2~3割減ったと導入成果を話す。
特に新型コロナウイルス感染症拡大時は、訪室のたびに防護服等の感染対策用品を使用していたが、それらの不必要な消耗を避けることにもつながった。
コール履歴分析し生活パターン把握へ
ナースコールは介護記録ソフトと連携し、履歴は自動で残るしくみ。「行動パターンの分析ができることで、どの入所者に見守り機器の設置が必要かを判断しやすくなりました」と堀さん。以前からナースコールの記録はとっていたが、職員が手動で時間・回数をチェックしていたため、負担になっていたことを明かす。
堀さんはICT機器の導入効果の一つとして、若い職員が経験年数に関係なくコミュニケーションをとりやすくなった点を挙げる。「自分の得意分野だと認識している職員は、ケア全体への積極性にも表れてきています」。
今後は介護記録ソフトへ自動記録されるバイタル測定器、さらに音声入力アプリの導入も検討。「これからもケアの質向上に向けて、ICT機器による業務効率化をはかり、職員がゆとりを持てる職場環境をめざしていきたいと思います」と堀さんは語った。
(シルバー産業新聞2024年7月10日号)
堀さんはICT機器の導入効果の一つとして、若い職員が経験年数に関係なくコミュニケーションをとりやすくなった点を挙げる。「自分の得意分野だと認識している職員は、ケア全体への積極性にも表れてきています」。
今後は介護記録ソフトへ自動記録されるバイタル測定器、さらに音声入力アプリの導入も検討。「これからもケアの質向上に向けて、ICT機器による業務効率化をはかり、職員がゆとりを持てる職場環境をめざしていきたいと思います」と堀さんは語った。
(シルバー産業新聞2024年7月10日号)