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チャーム・ケア ICT活用で業務効率化と根拠あるケアを実現

チャーム・ケア・コーポレーション(大阪市、下村隆彦会長)は、全施設でインカムと介護記録ソフトを導入し、生産性向上推進体制加算(Ⅱ)の取得を推進。見守り機器の導入やタイムスタディの実施など、要件を満たした時点で随時加算(Ⅰ)の申請を進めている。
スケジュールの見える化で業務分担円滑に
チャームプレミア鎌倉山(神奈川県鎌倉市、前田あゆみホーム長)もその一つ。既存の介護記録ソフトに内蔵された自社独自のスケジュール管理ソフトを活用する。同ソフトでは、職員ごとに横軸の時間に沿って安否確認や体位変換などの業務が割り当てられており、24時間のタイムスケジュールを管理できる(写真①)。いますべき仕事や、他のスタッフの業務も可視化されるため、ケアの進捗の確認と業務の分担がリアルタイムで行える。
「新しいスタッフにとって、スケジュールの把握が大きな支えとなる。指示を出す側の負担軽減にもつながっている」と前田さんは語る。
同施設では、今年2月にタイムスタディ強化週間を設け、日勤、夜勤などを含めた5つの業務ラインを固定し、シフトに入る職員に、自身の業務を漏れなく記録するよう求めデータを収集した。記録は介護ソフト経由で本部が収集し、他施設と一括で申請を行う予定。
「新しいスタッフにとって、スケジュールの把握が大きな支えとなる。指示を出す側の負担軽減にもつながっている」と前田さんは語る。
同施設では、今年2月にタイムスタディ強化週間を設け、日勤、夜勤などを含めた5つの業務ラインを固定し、シフトに入る職員に、自身の業務を漏れなく記録するよう求めデータを収集した。記録は介護ソフト経由で本部が収集し、他施設と一括で申請を行う予定。
見守り機器が転倒予防・看取りにも効果
職員の負担軽減や入居者の安全確保にとって、見守り機器が大きな役割を果たしている(写真②)。
「新規入居時などのアセスメント期間に、一時的なアラートでリスクを抑えながら対策することで最適な生活環境を整えることができる。本人だけではなく、スタッフの安心にもつながっている」と同社介護DX推進課の増澤良明さんは利点を語る。
また、看取りの場面でも効果を発揮。個室で常時の見守りが難しいケースでも脈拍や呼吸数の変化をリアルタイムで確認できるため、「家族が最期の瞬間に立ち会えるケースが増えた」と首都圏介護事業部の稲毛礼子さんは振り返る。
「新規入居時などのアセスメント期間に、一時的なアラートでリスクを抑えながら対策することで最適な生活環境を整えることができる。本人だけではなく、スタッフの安心にもつながっている」と同社介護DX推進課の増澤良明さんは利点を語る。
また、看取りの場面でも効果を発揮。個室で常時の見守りが難しいケースでも脈拍や呼吸数の変化をリアルタイムで確認できるため、「家族が最期の瞬間に立ち会えるケースが増えた」と首都圏介護事業部の稲毛礼子さんは振り返る。

委員会の一括開催で施設負担を軽減
同社では、生産性向上委員会を毎月ウェブ上で開催し、全拠点が参加。ケアの質や職員の負担軽減などに加えて、機器に関する最新情報や、活用事例の共有も行っている。
「アプリ型インカムの音声記録やチャット機能を活用した申し送りなどの好事例が共有される」と増澤さんは成果を口にする。議事録は、委員会終了後に各施設へ持ち帰り、必要に応じて追記する形としており、可能な限り個々の施設の負担が減るよう配慮している。
「活動量が増え転倒事故が多くなっている場合、より適したアラートへ変更するべきかなどを議論している」と前田さんは語る。
「アプリ型インカムの音声記録やチャット機能を活用した申し送りなどの好事例が共有される」と増澤さんは成果を口にする。議事録は、委員会終了後に各施設へ持ち帰り、必要に応じて追記する形としており、可能な限り個々の施設の負担が減るよう配慮している。
「活動量が増え転倒事故が多くなっている場合、より適したアラートへ変更するべきかなどを議論している」と前田さんは語る。
エコーで残尿を評価 排泄自立を促進
チャームプレミア京都烏丸六角(京都市、宮井俊ホーム長)では、昨年3月末のオープン時から見守り機器を導入。入居者の睡眠状態や夜間のトイレ回数などを記録し、頻尿などの排泄障害に悩む入居者のケア向上に活かしている。
夜間不眠やトイレの回数が頻回なケースでは膀胱の障がいなどを疑い、看護師がポータブルエコーで評価を実施。エコーはAI技術による自動ガイド機能を搭載しており、ガイドに沿って下腹部に当てると膀胱がマーキングされ、自動的に尿量が計測される(写真③)。
頻回にトイレへ行っている入居者で、実際には残尿がほとんどないケースでは、心理的要因や認知症による行動障害などの可能性が考えられる。膀胱の薬だけでなく、認知症の薬や水分摂取の調整、専門医の診察といったアプローチが可能になる。
夜間不眠やトイレの回数が頻回なケースでは膀胱の障がいなどを疑い、看護師がポータブルエコーで評価を実施。エコーはAI技術による自動ガイド機能を搭載しており、ガイドに沿って下腹部に当てると膀胱がマーキングされ、自動的に尿量が計測される(写真③)。
頻回にトイレへ行っている入居者で、実際には残尿がほとんどないケースでは、心理的要因や認知症による行動障害などの可能性が考えられる。膀胱の薬だけでなく、認知症の薬や水分摂取の調整、専門医の診察といったアプローチが可能になる。

便貯留を可視化し便失禁を低減
排便があったにもかかわらず「排便していない」と訴えるケースでは、下剤を使用すると下痢になる恐れがある。「エコーで可視化し『直腸内に便がないので下剤は不要』と説明すると、本人も安心できる」と宮井さんは活用法を述べる。
夕方に看護師が評価を行い、下剤の量や服用時間をかかりつけ医に相談・調整することで失禁の頻度を大幅に減らすことが出来た。
「不快感から便を触り、壁や床に付着させるケースでは、清掃や交換に多くの時間がかかっていた。事前にエコーで確認すれば、適切な排泄ケアを選択できる。排泄介助の時間も大幅に削減できた」と宮井さんは成果を語る。
「これまで自宅で、排泄や不眠の問題をあきらめていた人のために、もう一度がんばれる環境を提供したい」と介護DX推進課の大野世光さんは意気込む。
夕方に看護師が評価を行い、下剤の量や服用時間をかかりつけ医に相談・調整することで失禁の頻度を大幅に減らすことが出来た。
「不快感から便を触り、壁や床に付着させるケースでは、清掃や交換に多くの時間がかかっていた。事前にエコーで確認すれば、適切な排泄ケアを選択できる。排泄介助の時間も大幅に削減できた」と宮井さんは成果を語る。
「これまで自宅で、排泄や不眠の問題をあきらめていた人のために、もう一度がんばれる環境を提供したい」と介護DX推進課の大野世光さんは意気込む。
(シルバー産業新聞2025年3月10日号)