インタビュー

在宅での皮膚創傷ケア・排泄自立最前線①

在宅での皮膚創傷ケア・排泄自立最前線①

 第28回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会(会長・石澤美保子=奈良県立医科大学医学部看護学科学科長、会場:「なら100年会館」ほか)が2019年5月25日、26日に奈良市で開催される。

在宅療養患者の褥瘡管理・スキン-テア WOCNと訪問看護ステーションの連携

 「WOCケアにおける個別性と普遍性~拡がり続けるケアへの挑戦~」をテーマに、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下「WOCN」)による新たな活動領域として「スキン ― テア(皮膚裂傷)」や「同行訪問による指導」といった議論・発表が予定される。18年介護報酬改定で在宅復帰を目指して「排せつ支援加算」「褥瘡マネジメント加算」が新設された介護保険施設や、在宅復帰後の生活を支えるケアマネジャー、介護事業者にとって、多職種連携の一員として、WOCNが病院内から介護施設や在宅へ活躍が広がることに期待が高まりそうだ。WOCNでもある石澤学術集会会長に聞いた。

 ――WOCNの活動領域と現在の状況は。

 創傷や排泄管理の重要性の高まりのもと、1997年より日本看護協会が認定を始めたWOCNは全国で2,488人(2018年7月時点)を数えるまでに広がった。現在、厚生労働省は一定の技能・知識をもつ看護師に診療の補助を認める「特定行為」普及を進めていることから、日看協の清瀬看護教育研究センターではこれまでの認定看護師カリキュラムを休止し、現在は特定行為研修のみのカリキュラムを開講している(19年度までの予定)。

 そして、20年度からは特定行為研修を組み込んだカリキュラムの認定看護師教育が開始され(現行カリキュラムは26年度に終了)、27年度からは特定行為を含んだ認定看護師カリキュラムに完全移行予定。(詳細は日本看護協会HP参照)

――新カリキュラムのもとでWOCNと介護現場の多職種連携も進むでしょうか。

 日本創傷・オストミー・失禁管理学会でも、数年前から在宅への連携を目指している。学会の意識としては訪問を進めたいが、実際のWOCNは病院内で多忙を極めている。

 奈良県立医科大学附属病院でもWOCNが3人いるが、院内でストーマ外来があり、褥瘡回診があり、排尿自立があり、病棟を中心に活動してもらっている状況。最近、少しずつ在宅も訪問できるように取組み始めたところ。

 ――WOCNは不足しているのですか。

 在宅のことを考えると不足していると思う。地域性や病院規模、訪問看護ステーションの体制が整っていると、WOCN1人でも在宅訪問ができることもあるが、WOCNが1人の病院では、ほぼ訪問に出向くことはできず、3~4人のWOCNのいる病院で訪問ができているといった状況。そういう意味ではもっと必要だと思う。

 ――WOCNとの多職種連携を進める制度が求められます。

 現在でも診療報酬で「在宅患者訪問褥瘡管理指導料(750点)」が評価されている。ただ、周知が進んでいないことや、報酬算定のしにくさという制度上の問題もあり、在宅にWOCNの訪問を必要とする人がいるのに、あまり活用されていない現状がある。

 医療機関などに制度周知を進めることや、より使いやすい制度になるように国にも働きかけたい。

 (シルバー産業新聞2019年5月10日号)

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