インタビュー

ジャパンケア子会社化 メッセージ橋本俊明会長に聞く

ジャパンケア子会社化 メッセージ橋本俊明会長に聞く

 有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅の大手「メッセージ」(岡山市、古江博社長、資本金39億2516万円)は1月19日居宅介護サービス事業の大手老舗「ジャパンケアサービスグループ」(東京都豊島区、馬袋秀男社長、資本金30億3085万円)を株式公開買い付けにより子会社化すると発表した。メッセージのオーナーである橋本俊明会長にインタビューした。

 ――施設や高齢者住宅を主力とする企業が成長目標になぜ在宅サービス主力の会社を子会社化したのか。

 私は今後在宅サービスの強化充実と拡大がますます求められると考えている。

 3年ほど前に「地域居住プロジェクト」を策定し現在進めている。その基本は①住まいとケアを完全分離する②個人個人にマッチしたカスタムメイドケアの提供③高齢者本人との交渉の重視だ。08年から高専賃(現・サービス付き高齢者住宅)を手がけてきたが、その基本方針にそって進めてきた。

 当初は100戸タイプがモデルだったが、今や30戸でも採算ベースに乗るまでになった。数が小さくなると最終的には集合住宅から地域の個人宅に対するサービス提供に行き着く。まずは本人が快適に暮らせる居住があり、当社はそこに住む人に良質なサービスを提供する。それは集合住宅でも持家でも同じというのが私の考えだ。

 ただ集合賃貸住宅に対するサービス提供と、個人の所有物である住宅に対するサービス提供はノウハウが違う。また個人宅の顧客を確保するには時間がかかる。それが理由だ。

 ――パートナーとしてなぜジャパンケアを選んだのか。

 企業はトップから第一線の社員まで一つのポリシーで貫かれていることが重要で、ふらふらした考えでは伸びない。介護事業は採算性と福祉で人を助けるマインドという2つの資質が求められる。ジャパンケアにはそれを感じたし、実は2年ほど前から私の構想にあった。先方の株価や大株主である創業者の意向、資金繰りなどといった条件から昨年10月から交渉に入った。あくまでもこちらからお願いしたことだ。

 ――公開買い付けに要する金額は。

橋本 28億円。またジャパンケアには長短あわせた借入れなどが70億円程度ある。ただ当社の前年度末の流動資金は約100億円、大きな負担ではない。サ高住、有料老人ホームの展開は今後2年先まで決まっており、それも計画通りに進める。

 ――子会社のジャパンケアは今後どう変るのか。

 基本的には2年間は何も変える気はない。得意分野を伸ばしてもらえればよいし、能力があればサ高住の運営を手がけてもよいだろう。給与体系も現状どおり、子会社のままで合併する気もない。観察はするが干渉はしないというスタンスだ。

 日本の介護保険は軽度者から重度者までを包括的にカバーする世界トップの介護制度だ。先進国といわれる北欧でも地区によりサ-ビスメニューに片よりがあり、税金で運営しているので税収に左右されている。民間企業にとっては大きなポテンシャルがある産業といえよう。

 当社は2年後を目標に一定エリアのサ高住や自宅、施設までも対象に、介護・生活支援サービスを提供する「メッセージエリアセンター」の開設を目指している。そうなればジャパンケアの果たす役割も大きくなるだろう。

(シルバー産業新聞2012年2月10日号)

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