インタビュー

川本産業・福井誠社長 感染症予防・口腔ケア製品充実 医療品質を介護へ

川本産業・福井誠社長 感染症予防・口腔ケア製品充実 医療品質を介護へ

 川本産業株式会社の創業は1914年。初代川本新之助は、手ぬぐいから糸を抜いて晒しガーゼにし繃帯木綿を販売した。衛生材料は軍用品として活用され、その後医療機関などで治療や手術で使われるようになった。01年には株式上場。現在、創業106年目になる。年商250億円のうち、およそ70億円がメーカー売上げ。医療機関向けの手術用・治療用ディズポーザブル製品、感染管理製品のほか、薬局薬店ルートなどに衛生用品や口腔ケア製品などを製造販売する。

 ――沿革・現状について。

 5年前の15年、滅菌の検査プロセスが適切でない可能性のある製品があるとして、製品回収を行った。実際には事故の報告はなかったものの、病院では予定した手術が一時中止に追い込まれるという事態になり、医療機関との取引停止となった事例もあった。翌16年、エア・ウォーターの支援を得て同社の子会社となる。

 ――万全な品質をめざしたとりくみは。

 この5年間は医療機関からの信用を回復する期間だった。コンプライアンスの徹底を図り、厚生労働省が定める「QMS省令」に従って品質マネジメントシステムを確立し適切に実施するなど、安全な生産体制を構築してきた。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、感染管理製品などの供給を通じて、取引再開になった医療機関もある。必要とされる製品を多くの方々に提供するために、今後とも万全な品質の製品づくりを行っていく。

 ――感染防止の標準予防策準拠の展開は。

 これまで医療現場で蓄積したノウハウを活かした製品を、介護やドラッグストア市場に幅広く提供していきたい。さらに拡大が見込まれる介護ニーズに対応して、介護分野を事業の柱のひとつに据える。マスクや手指消毒剤などの感染管理製品や口腔ケア製品を拡大していきながら、広く介護に役立つ便利な製品を出していく。感染管理製品については、標準予防策に準拠し、安心安全な製品開発を進める。

 ――医療機関、一般市場向けに販売する口腔ケア製品は。

 誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア製品として、20年前に口腔清掃用のスポンジブラシを発売した。当時は医療機関への販売が中心であったが、数年ほど前から他社の参入が増え、一般的に認知されるようになってきた。口腔ケア市場は今後も在宅や施設において拡大するものと予想される。この分野のリーディングカンパニーであり続けたいと思っている。

 ――グループの総合力をどう活かしていくのか。

 昨年子会社化したニシキはこれまで、赤ちゃんのおむつ関連製品の他、防水シーツや食事用エプロンを手がけてきた。エア・ウォーターグループには高齢者介護施設を運営する企業がある。顧客ニーズを分析し開発製品を見極めるなど、グループの総合力を活かし、介護分野を成長させていきたいと考えている。

(シルバー産業新聞2020年10月10日号)

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