インタビュー

在宅支援総合ケアーサービス 依田 和孝社長 

在宅支援総合ケアーサービス 依田 和孝社長 

 千葉市を中心に介護保険事業を展開する在宅支援総合ケアーサービス(依田和孝社長)は、訪問看護、訪問介護、居宅、通所、福祉用具、訪問入浴、看護小規模多機能型居宅介護など幅広いサービスを提供している。今回のコロナ禍で、各事業への影響や今後について、依田社長に聞いた。

コロナ禍、通所介護は利用者が5割減少、事業全体にも影響

 当社の介護保険事業の売上規模は、月ベースで約6000万円。そのうち、通所が約1500万円を占めている。3月から通所の売上が減少し始め、約700万円ダウンしているので、全体では10%ほど悪化している。訪問、居宅、福祉用具その他には影響は出ていない。

 通所は、リハビリ特化型のデイサービスを4カ所で展開している。利用者数の推移は、新型コロナの影響で2月下旬から減少し、3月で3割減、4月、5月は5割減だった。

 3月6日に市川市の通所でクラスターが起きた。当社の通所に通う利用者がそこと併用していたため、その影響が大きかった。

 通所はこれまでも改定の度に減算が続き、経営が厳しいのが現状だ。

 今回のコロナ禍で閉鎖を考えているところは、普段から経営が厳しいところに追い打ちをかける形になってきたと思う。職員は常に基準ギリギリで採用しないと採算が取れない。そのことが、コロナ禍では余計に困ることになったと思う。

 厚労省は通所の利用を控えた利用者に訪問への切り替えを認めているが、訪問と通所の両方に職員を出すことは難しいのが現状だ。

 一方で、電話連絡で報酬が得られるという厚労省の通達はありがたい。金額的にもカバーできると考えている。しかし、現状では、電話一本で報酬に繋げることは難しい。ケアマネにも利用者にも納得は難しいところだ。

 減収になると、家賃、給料などが払えなくなり、倒産してしまう。そうなると困るのは利用者だ。今後を考えると、通所は他の在宅サービスに移っていくのかと考えてしまう。訪問にシフトすると、介護保険全体の費用は上がってしまうことになる。

 6月に入り、再開の方法を模索しているところだが、利用者の中には、自宅で転倒し、骨折して入院した人が2人いる。歩行訓練をしていなかったので想定内のことでもあった。

 そう考えると通所の意義は大きかったのだと思う。再開したら、密にならない方法をいろいろ考えているが、通所がクラスターの要因を作ってしまうことは十分あり得ると思う。

 居宅介護支援事業所では、利用者が自宅で死亡していたケースがあった。要支援の利用者で、基礎疾患もなく自立度が高い人だったが、通っていた通所が休業してしまった。

 そのため、4月下旬から自宅待機となり、一人で暮らしていた。ケアマネは普段は3カ月に1回の訪問だったが、電話対応で安否確認を行い、2回は電話で確認が取れていた。娘さんが連休明けに通院介助の予定だったので、訪問すると、お風呂場で亡くなっていた。

 家族は解剖を希望しないため死因は不明だが、コロナ禍での対応に原因がなかったのか、考えさせられるケースだ。

訪問入浴は増加、看多機はショートが増加

 通所以外のサービスでは、通所の利用控えが増えたことで、入浴ができなくなり、訪問入用の需要が高まった。

 もともと訪問入浴の部門は業績が上がらず、閉鎖も考えていた。訪問入浴の事業者が少ないこともあるが、今回のコロナ禍で、ケアマネや利用者で存在を知らない人が多いことが分った。今は100%の利用率になっている。コロナが収まっても来て欲しいという要望がある。

 また、現在3カ所で展開している看護小規模多機能型居宅介護は、利用者数は横ばいだが、地域のショートステイが減ったことから、ショートステイの依頼が増えている。病院がコロナの影響で入院を断るケースがあったことも影響している。

 当社では、ここにきて医療法人を立ち上げた。訪問診療をスタートさせ、7月からはデイケアも始める。通所は1カ所閉鎖するが、採算面では倍近くが見込める。デイケアでは医師やPTがいるので、利用者も真剣にリハビリに取り組んでくれる。

 50代で脳梗塞を患い、家族のためにも早く社会復帰したいという人が目立つようになった。こうした人を対象に、自費サービスもすでに提供している。脳梗塞のリハビリを中心にPTが指導するプログラムで、費用は2カ月で約30万円。すでに改善結果も出ていて、今後はもっと広げていく。

(シルバー産業新聞2020年6月10日号)

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