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手すりのある暮らし 【こんなに変わる!③】

手すりのある暮らし 【こんなに変わる!③】

「福祉用具の日しんぶん」を読んで、福祉用具にはいろいろな種類や機能があることがわかった! だけど、実際の生活はどれくらい便利になるんだろう?

1本の手すりが生活を変える

Q:何に困っているのかがよくわからない…。

 「福祉住環境コーディネーター」は医療・福祉・建築の幅広い知識で適切な住宅改修や福祉用具等の提案を行う資格。神奈川県川崎市でデイサービス「さくらの丘」を運営する笠原泰子さんも取得者の1人だ。
 「介護だけでなく、医療や建築の知識を広くもつことで、利用者の相談を一旦全て受けとめ、そこから各分野の専門職につないでいくことができます」。
 自宅でトイレに行けない人がいると、なぜ行けないのか、または行きたくないのかを観察し、話を聞く。
 他にも、例えば部屋や廊下の壁をよく観察すると、指紋が集まっている箇所が見つかる。
 こうしたところへ手すりを取り付け、転倒予防をはかるのだという。

A:暮らしを観察するとヒントが見つかります

 そんな住環境のノウハウが随所にみられるさくらの丘の建物は、木の素材を生かし、自宅にいるような温もりを与える。同検定試験にも出題された「日照時間」を計算した構造で、夏は涼しく冬は暖かい生活空間を提供する。
 またトイレは一般用に加え、介助スペースを十分にとった「みんなのトイレ」、さらに入浴前に排泄が行えるよう脱衣室にも設置。一般用以外は、トイレ両脇の手すりが跳ね上げ式で、車いすからの移乗が行いやすい。
 脱衣室を2カ所設けているのも特長。入浴を終えた利用者はもう一つの脱衣室へ出るので、入浴待ちの利用者と鉢合わせせず、ゆっくりと身支度ができる。入浴サービスの効率もアップし、午前中には利用者10人全員の入浴が完了する。
 笠原さんは「住環境の整備は利用者の安心・安全を高めるだけでなく、職員がより効率的に動ける手助けにもなります」と強調した。

温もりのある「さくらの丘」の建物

跳ね上げ式の手すりが付いたみんなのトイレ

■「④GPS靴のある暮らし」に続く(リンク先)

(福祉用具の日しんぶん2017年10月1日号)

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