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ねんりんピック新聞 2024in鳥取 インタビュー ソフトボール

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チーム全員が自主練の向上心「一試合でも多く勝ち星を」
埼玉県所沢市 釜井清治さん(68)

 35年間奉職した海上自衛隊を定年退職した釜井清治さんが、家族の待つ埼玉県の地を踏んだのは約10年前。現役時代は、艦船勤務や横須賀・呉での単身赴任が多かった。引退後は少しでも地域のことを知っていこうと、自治会に参加したりメール便配達の仕事に就いたりした。家庭菜園にも挑戦し、すっかり顔なじみになった畑仲間とはいろいろ話したが、相手がコーチを務めるソフトボールチームの話題では特に熱弁を振るわれた。「ねんりんピック神奈川大会は3位入賞で、とてもよかった。今度釜井さんも連れていってあげるよ!」。昨年告げられたこの一言で、釜井さんのソフトボール選手としての人生が幕を開けた。

 まずは、当時畑仲間がコーチを務めていた「入間クラブ」の見学・体験に足を運んだ。自衛隊所属当時は体を鍛えていたが、球技経験は防衛大在籍時に野球をやっていた程度。息切れやこむら返りを起こし「続けるのは無理だ」と感じたが「メンバーの『長くやっていれば強くなれる』ということばに背中を押され、入部を決意した」と釜井さんは振り返る。

強豪チームへの入部

 入間クラブは①実年・50歳〜②シニア・60歳〜③ハイシニア・68歳〜④スーパーシニア・70歳〜――の4チームで構成される。グラウンドでの活動日は毎週土・日曜だが、ほとんど毎日自主練を行うほど向上心が高く熱心な選手が揃う。1996年の創部以来さまざまな大会に出場し、県内外からの試合申込も多い。シニアは県大会での優勝経験ももち、ねんりんピックへの出場は今年で7回目。釜井さんはシニアとハイシニアの2チームに所属する。

 「最初は野球とソフトボールの違いに戸惑いもあった」と釜井さん。特に、投手と捕手間の距離が18mから14mへと近くなる上、ライズボールというソフトボール特有の変化球もあり、なかなかうまくキャッチやバッティングができなかった。
 実力者揃いのチームに食らいつくため、釜井さんは毎日の筋トレ・柔軟体操を習慣づけた。かがんで守備をするには腹筋、バッティングで体を回転させるには腰回りのやわらかさが欠かせない。さらに、自宅の庭にバッティングティーを設置し毎日バットを振った。団体練習の際には、先輩選手のアドバイスを一つひとつ実践。サプリメントや機能性表示食品を積極的に摂取するなど、からだの内側からも調子を整えた。

 こうした努力が実り、今年からはチームの正式メンバーとして試合出場の機会も増加。釜井さんは「出場メンバーは当日発表されるので、油断していられない。自分ではまだまだ上手くなった気がしないが、チームメイトは徐々に安心して送り出せると思ってくれているのかもしれない」と笑顔をみせる。
 今年のねんりんピック出場も決まり、順調に練習を重ねていた7月中旬には、突然日常生活に支障をきたすほどの痛みを感じた。精密検査を受け、1カ月ほどの入院で完治したが、健康で元気にスポーツができる喜びを実感したという。

 釜井さんは埼玉県選手団の旗手も務める。個人としては初の出場に胸を高鳴らせながらも「これまで戦ってきた県内の他チームや応援してくれる方々に感謝を込めて、一試合でも多く勝ち進み、埼玉県のアピールやチームの絆をより強めることにつなげたい」と意気込んだ。

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