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ねんりんピック新聞 2024in鳥取 インタビュー ソフトテニス

ねんりんピック新聞 2024in鳥取 インタビュー ソフトテニス

過去の自分を超える
魅力あふれる団体戦で狙う優勝
奈良県橿原市 中正道さん(70)

 ソフトテニスは近年、一人で試合を行うシングルスも普及しつつあるが、多くの場合、二人で試合を行うダブルスで行われる。ラリーの応酬や多彩な攻撃、シュートボール(速いボール)やロビング(山なりのゆるいボール)などを駆使したプレーからも目が離せない。特にダブルスでは、パートナー同士のコンビネーションで互いにカバーし合い、相手の陣形を崩すプレーやポジション取りの変化によって、ポイントを取りやすくするなど、独自の魅力が際立つ。ねんりんピックでは、各都道府県から男子ペア、女子ペア、男女混合のミックスペアの計3組が選ばれ、団体戦で勝負を競う。

体格差をカバーできるゲーム性が魅力

 奈良県代表の中正道さん(70歳)は、今回2度目、ミックスペアで出場する。
 中さんのソフトテニスとの出会いは、同級生から誘われて入部した地元中学校のクラブ活動。始める前の印象は、「身体同士のコンタクトはなく、ネットを挟んで競う比較的穏やかなスポーツ。他の運動クラブと比べて、練習も楽そうに感じた。身体能力が高いに越したことはないが、他競技と比べて体格差でいきなり差がつくことは少ない。自分には合っていた」と振り返る。
 入部当初、コートは1面しかなく、1年生は夏休み頃までは声出しやボール拾い。「正直なところ面白くなかった。最初数十人いた同級生も1年経つころには10人くらいになっていた」と語る。

 そのような中、1年生の秋に開かれた新人戦のメンバーに選ばれ、県大会で3位に入賞した。「1〜2回戦で負けていたら、もう辞めていたかもしれない。勝ち進んだことが続けられた理由の一つ」(中さん)。3年生のときには、奈良県の中学校として初めて近畿大会で優勝するなど活躍を続けた。

競技に打ち込み相手を称える心境に至る

 高校は、ソフトテニスの県内強豪校に進学。日本一を目指して競技に打ち込んだ。
 しかし、優勝を目指して出場したインターハイではまさかの3回戦敗退。いまでも思い出すのが、敗退直後に監督から、京都で夜行列車を途中下車し、地元の高校との練習試合を指示されたこと。「3年間の目標が達成できず、選手皆が打ちひしがれる中、口惜しさと情けなさが込み上げてきた」と当時の思いを語る。
 一方で、その後開催された国体では、「楽しくやろう」と気持ちを新たに出場。開催県の鹿児島の高校に敗退したが、全国3位まで勝ち進んだ。「その試合で、相手がよく練習して強くなったことへの尊敬の念、自分たちも精一杯力が出せたとの充実感もあり、爽やかな敗戦というものを初めて経験した」(中さん)。

いくつになっても勝利が目標

 高校卒業後は、県内に就職。仕事や子育てで多忙となり競技からは離れていた。
 競技を再び始めたきっかけは、60歳の還暦を契機に行われた高校のクラブの同窓会。後輩から、「シニアに向けたねんりんピックという大会がある。目標にしてまたやりましょう」と誘われた。
 ソフトテニスは個人で参加する大会は多いが、団体戦で競うことは少ない。ねんりんピックは団体戦で優勝を争う大会の一つ。「若い時は、団体戦で勝つことを目標に取り組んできた。いまでも団体戦が一番盛り上がり、面白い」とチームで戦うことの魅力を中さんは語る。
 しかし、順調に競技へ復帰できたわけではない。

 仲間に誘われて参加した練習初日、いきなりアキレス腱を切って手術を受けることに。その後、半年間はリハビリに費やした。「試合形式での練習中、頭では返せると思ったボールに体がついていかなかった。いまでもその日のことは仲間に触れられる」と振り返る。
 練習を重ね2018年のねんりんピック富山大会では、初出場ながらベスト8まで進んだ。「いくつになっても勝つことを目指して真剣に取り組める」(中さん)。
 「今回は大会に向けて、炎天下で週3回の練習を積んできた。前回よりも総合力としては強いチームが編成できたつもり。過去の自分の成績を超えるためにベスト4以上を目指したい」と中さんは意気込む。

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