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ねんりんピック新聞 2024in鳥取 インタビュー マラソン

ねんりんピック新聞 2024in鳥取 インタビュー マラソン

8度目の常連道具を大切に、走る足をつくる
名古屋市 青山幹さん(78)

 今年が8回目となる青山幹さん。初出場の2007年茨城大会はスタート直前に大雨が降り、水たまりを踏み飛ばしながら走った。13年高知大会は四万十川の源流。坂本龍馬脱藩の道は、過去一の起伏だった。「1人しか通れないような狭い道、石畳の道。イレギュラーを楽しむのもねんりんピックならでは。道さえあればマラソンはできる」と開き直る。
 名古屋市の選手団からは「できれば入賞を…」と毎回、やんわりとプレッシャーが。19年和歌山大会は2秒差で9位と、あと一歩だったが、前回出場の22年神奈川大会は8位入賞しリベンジを果たした。
 実は青山さん、記念すべき第1回東京マラソンに出場。3時間40分台で完走した。友人たちからは「もっとゆっくり、景色を楽しみながら走ればよかったのに」と言われ、次に出たときは制限時間いっぱいの7時間で東京を観光した。

 フルマラソンの自己ベストは3時間31分台。「何とか30分を切れれば」。70代に入ってからは、ハーフマラソンがメイン。3月の名古屋シティマラソンには毎年出場する。同大会は名古屋ウィメンズマラソン(旧名古屋国際女子マラソン)と同日開催。2000年シドニー五輪の選考レースで、後に金メダルを獲得する高橋尚子さんの走りを間近で見て驚嘆した。「終盤の緩やかな登りを、とんでもないスピードで駆け抜けていった」。

 月間走行距離は100〜150㎞。自宅から自転車で10分ほどの名城公園で、1・27㎞の周回コースを主な練習場とする。「フルマラソンに出ていた頃は、大会直前の3カ月は200㎞を超えられるよう調整していた。でなければ、30㎞を過ぎてからがもたない」。筋肉を太くすることもタイムを伸ばす要素だと、ラン後の筋トレも欠かさない。
 道具にもこだわる。ランシューズに入れる足底板(インソール)は完全オーダーメイド。偏平足を予防し、ランに適した良い形の足を維持する。「ラン中は足の痛みがかなり抑えられ、翌日の疲れ具合も全然違う」。道具を上手く使うことが、年齢を重ねても走り続けるためのコツだと説く。
 「年々、体力が落ちるのは当たり前のこと。それをどう緩やかにするか。特に、歩幅が狭くなり、自分では走れている感覚が、実際にはタイムが落ちている。この脳と身体のギャップを修正する。いつまでも走り続けることが人生の目標。趣味がなくなるのは耐えられない」

 今年のねんりんピックは5㎞の部。普段、ハーフやフルを走っていると、遠征してまで走る距離として物足りないのでは?と尋ねると、「確かにコスパは良くない」と前置きした上で、「ねんりんピックの良いところは選手同士の交流。県外に限ったことではない」と述べる。
 例えば、名古屋からバスで開催地へ移動する間は、マラソン、そして人生の先輩方との貴重な
コミュニケーションの時間。「効果的な練習や、おすすめの大会など。話せば移動時間もあっと
いう間に過ぎる」。
 以前知り合った人は、今も90代で青山さんと同じく名城公園を走る現役ランナーだ。「先述の筋トレも、その人から教わった」と青山さん。自分もそろそろ、ねんりんの中では「先輩側」だとしつつ、今年も時間いっぱい、ランニング談議に花を咲かせたいと語った。

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