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ねんりんピック新聞 2024in鳥取 インタビュー ペタンク

ねんりんピック新聞 2024in鳥取 インタビュー ペタンク

堅実な戦術と、自然を味方に
三朝町 知久間孝紀さん(75)

 ペタンク発祥国のフランス、その南部にある小さな町、ラマルー=レ=バンと三朝町は、ともに温泉地であることから1990年に友好姉妹都市となった。今では毎年、フランスのチームを招待し日仏親善交流のペタンク大会が三朝町で行われている。それゆえ、三朝町は県内でもペタンクが盛んな地域であり、ねんりんピックの競技会場にも手を挙げた。
 初出場の知久間孝紀さん。三朝町内の所属チームは一部特別枠があり予選免除もできたが、「正々堂々と戦いたい」と予選を志願。準優勝で出場を決めた。「練習量の多さは町内のチームでも随一だと自負している。結果に結びついてよかった」と誇らしげだ。ねんりんピックは3〜4チーム総当たりの予選リーグで始まる。「まずは決勝リーグへの勝ち抜けが第一目標」と、自身がキャプテンを務めるチームに発破をかける。

 競技会場となる三朝陸上競技場は、知久間さんたちの普段の練習場所。取材当日も、30度を超える暑さの中、紅白戦を数試合行い、実践感覚を磨いた。「われわれは全国の強豪を迎え撃つ立場。ホームグラウンドの利を最大限生かし、優位に試合を進める展開にしたい」と意気込む。そして、いつも少人数で使っている三朝のグラウンドが、大会当日は一面ペタンクで埋め尽くされる光景を早く目にしたいと、気持ちがはやる。

 ペタンクは重さ700gのブール( 鉄球) を投げ合い、ビュットと呼ばれる目印により近づけるゲーム。得点方法などはカーリングに似ているが、投げたブールの多くはビュットの周りに残りやすく、終盤になるほどビュットに近づけにくく、複雑な戦術が求められる。
 その戦術を立てるのが、司令塔である知久間さん。「一投ごとに刻々と状況が変わる。相手が最後に投げる場合は失点を最小に抑え、優勢な場合はいかに複数得点を奪うか。力が拮抗しているときは我慢くらべで相手のスキを窺う。一発逆転を秘めている、最後まで緊張感が抜けないスポーツ」。
 何より、戦術どおりにブールをコントロールできなければ、まったくの皮算用に終わってしまう。ところが、このコントロールがひとクセもふたクセもある、と知久間さん。「そもそもペタンクは野原などでやるスポーツ。ブールがまっすぐ転がることの方が少ない。地面の固さ、砂の状態、渇き具合、微妙な傾斜。自然を相手にしているので、不確定要素が多すぎる。狙い通りに行った!と思った瞬間、小石が隠れていてコースが変わることもしょっちゅうある」。こうした条件を試合中に見極めていくことが自身の役割だと語る。

 社会人まで軟式野球一筋。高校野球の監督も務めた。60歳を過ぎてからは還暦野球にも参戦。主なポジションはショートで送球には「自信あり」だ。「軟球と鉄球だと勝手が違うように思われるが、共通して大事なのは、感覚をどれだけ研ぎ澄ませるか」と強調。「腕の振りや投げるタイミングは、試合によってバラつくこともある。これを修正し、その日の最適なコンディションにもっていく。スポーツの経験を十分に活かせる」と自信をのぞかせる。

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