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在宅生活を支える看護師/ 阿部淑子さん【在宅のスペシャリスト 3】

在宅生活を支える看護師/ 阿部淑子さん【在宅のスペシャリスト 3】

 「自宅で暮らしたい」という思いを叶えるには、どのような助けが必要でしょうか? 在宅生活を支える【医療・介護のスペシャリスト】の看護師、阿部淑子さんを紹介します。

■阿部 淑子 さん(24)

 訪問看護ステーションあかし(東京都中央区) 看護師歴7カ月

「笑顔で接すると、反応がかわる」

①看護師になった理由は?

 新卒で訪問看護が務まるかどうか不安も大きかったですが、所長の「在宅は、人と人との関係」という言葉が決め手でした。看護は幅広い処置の技術も重要ですが、それよりも人として尊重する気持ちが大切だということです。利用者の生活をどう良くしたいかということを常に考え、勉強し、行動に移す。そんな仕事だと今は感じています。
 私自身、人と話すのが大好きで、子どもの頃はよく近所の家へ行き、大人の方たちに遊んでもらいました。「地域で育てられた」という感覚です。また、地域の健康づくりにも興味があり、保健師の資格も持っています。

②仕事のやりがいは?

 病院と違い、在宅はより長期的に関わるので、状態がだんだん良くなっていく姿を見ることができます。また、利用者が歩んできた人生、そこで生じた価値観や想いを汲み取ると同時に、その想いを叶えるチャンスをいただいていると思っています。

③一番気をつけていることは?

 相手の顔を見て、笑顔で挨拶することです。利用者には認知症の人も多く、実践して感じたのは、しっかり笑顔で接すると明らかに反応が違うということです。こちらの顔や名前を忘れることも普通ですが、それでも「この人が家に来れば、良いことしてくれる」と思ってもらえるようにしたいです。

④利用者へ一言

 訪問は一人で行くことがほとんどですが、実は色んな専門職と連携しながら、チームで判断し動いています。「看護師に言っても…」とためらわずに、どんなことでも相談してみてください。より良い生活をみんなで一緒に考えていきましょう。
【阿部さんの一日】
 9時        出社
 9時15分    ステーション内で申し送り事項
 9時40分    在宅訪問①
 10時30分    在宅訪問②
 12時        ステーションに戻り、昼食
 13時30分    在宅訪問③
 14時30分    在宅訪問④
 15時30分    在宅訪問⑤
 16時30分    ステーションに戻り、当日訪問分の記録・連絡
 17時30分    退社
※在宅生活における看護師の仕事
 医師の指示に基づき、診療の補助や処置、療養上の世話などを行います。検温や血圧測定、おむつ交換や移乗介助、褥瘡の患部の清潔保持、服薬の確認など、処置は多岐にわたります。訪問看護は、病気や障がいのある人が住み慣れた地域で療養生活を送るためのもので、医療機関または訪問看護ステーションから看護師が訪問します。要介護認定を受けている人は介護保険、それ以外の人は医療保険でサービスを受けることができます。
 病院勤務の場合は、入院患者の看護を行う病棟看護師、外来診察をサポートする外来看護師、手術室で医師をサポートする手術看護師、救急患者に対応する救急看護師など役割が分かれます。看護師のキャリア形成としては「皮膚・排泄ケア」「緩和ケア」といった、特定の看護分野でより質の高い看護を提供する「認定看護師」の取得者も増加しています。

(介護の日しんぶん2018年11月11日)

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