コラム
「トイレ誘導のタイミングが合わない」 福祉用具で解決!①/牧野美奈子さん
トイレでの排尿が可能になる機器が開発されました。これを使えば、個人の膀胱に合わせて、現在何パーセント溜まっているのかを見ることができ、的確にトイレ誘導が行えます。また、残さず排尿しているかも知ることができます。
トイレのタイミングが分かる
排泄のタイミングは飲水時間によって多少の予測はできますが、個人の膀胱容量でも違いが出てきます。介護者側の都合でトイレに誘導しても出ない。本人が頻回に行きたいと言って誘導しても結局出ない。もちろん膀胱内が一杯になりトイレに行かなければ失禁してしまいます。これは本人、介護者、双方にとって大きなストレスです。
外から見えない膀胱の状態ですが、日常生活の中で観察を行い排泄のデータを取ることによって、どのような対処ができるか検討することは可能です。しかし、そのデータ分析には排泄のことを専門的に学んだ人材が必要になります。
そういう人材を必要とせず、的確にトイレでの排尿が可能になる機器が開発されました。写真1はその本体です。小さな丸いセンサー部分を恥骨上部に固定しエコーで膀胱内の尿量を検知し、大きな丸い本体部分からそのデータがスマホやタブレットなどの端末機器に送信されます。
そういう人材を必要とせず、的確にトイレでの排尿が可能になる機器が開発されました。写真1はその本体です。小さな丸いセンサー部分を恥骨上部に固定しエコーで膀胱内の尿量を検知し、大きな丸い本体部分からそのデータがスマホやタブレットなどの端末機器に送信されます。
写真2は送られてきたデータを受信している画像です。個人の膀胱に合わせて、現在何パーセント溜まっているのかを見ることができ、的確にトイレ誘導が行えます。また、残さず排尿しているかも知ることができます。
おむつやパッドに排泄し処理をすることは当たり前のケアではなく、ご本人にとっては、最後までトイレに行って気持ちよく排泄できること、介護者にとってはトイレで排泄できることが重要です。これによって、排泄後の処理も簡潔に衛生的に行えます。
今までは施設に向けた端末だけでしたが、在宅バージョンが発売され、これから在宅での排泄ケアは大きく変わっていくかもしれません。
今までは施設に向けた端末だけでしたが、在宅バージョンが発売され、これから在宅での排泄ケアは大きく変わっていくかもしれません。
<排便に適した姿勢>
排便に適した姿勢は前傾姿勢です。直腸と肛門の角度を鈍角にして、さらに踏ん張りがきくため、便が出やすくなります。こうした姿勢を補助する福祉用具もあります(写真)。ひじや手を置いてもたれかかることで、自然と前傾姿勢をつくり、保持します。
(福祉用具の日しんぶん2018年10月1日号)