話題

【福祉用具で解決! 介護の困りごと】 「トイレ誘導のタイミングが合わない」 排泄 (2018年)

【福祉用具で解決! 介護の困りごと】 「トイレ誘導のタイミングが合わない」 排泄 (2018年)

 福祉用具の日しんぶん2018では、日本コンチネンス協会のコンチネンスアドバイザー牧野美奈子さんに「トイレ誘導のタイミングが合わない」場合の排泄ケアについて解説頂きました。

牧野美奈子さん

牧野美奈子さん

 排泄のタイミングは飲水時間によって多少の予測はできますが、個人の膀胱容量でも違いが出てきます。介護者側の都合でトイレに誘導しても出ない。本人が頻回に行きたいと言って誘導しても結局出ない。もちろん膀胱内が一杯になりトイレに行かなければ失禁してしまいます。これは本人、介護者、双方にとって大きなストレスです。

 外から見えない膀胱の状態ですが、日常生活の中で観察を行い排泄のデータを取ることによって、どのような対処ができるか検討することは可能です。しかし、そのデータ分析には排泄のことを専門的に学んだ人材が必要になります。そういう人材を必要とせず、的確にトイレでの排尿が可能になる機器が開発されました。
 写真1はその本体です。小さな丸いセンサー部分を恥骨上部に固定しエコーで膀胱内の尿量を検知し、大きな丸い本体部分からそのデータがスマホやタブレットなどの端末機器に送信されます。
 写真2は送られてきたデータを受信している画像です。個人の膀胱に合わせて、現在何パーセント溜まっているのかを見ることができ、的確にトイレ誘導が行えます。また、残さず排尿しているかも知ることができます。

 おむつやパッドに排泄し処理をすることは当たり前のケアではなく、ご本人にとっては最後までトイレに行って気持ちよく排泄できること、介護者にとってはトイレで排泄できることは排泄後の処理が簡潔に衛生的に行えることになります。

 今までは施設に向けての端末だけでしたが、在宅バージョンが発売され、これからの在宅での排泄ケアが大きく変わっていくかもしれません。

日本コンチネンス協会 コンチネンスアドバイザー 牧野美奈子さん

 北多摩看護専門学校卒業後、特養にケアワーカーとして従事。介護福祉士として働きながら排泄ケアの重要性を認識し北欧テクニカルエイド視察等で用具についての学びを深める。NPO法人日本コンチネンス協会会員

(福祉用具の日しんぶん2018)

関連する記事

2024年度改定速報バナー
web展示会 こちらで好評開催中! シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル