コラム
杖、歩行器(車)、シルバーカー 福祉用具の選び方/河口青児
「移動」は、他の大部分の動作の基本動作であり、生活する上で欠かせないものです。今回、移動手段の一つである歩行を支援する福祉用具についてQ&A形式にて解説します。
Q 歩行支援用具の使用目的は?
A ①身体の支持②体重の免荷③歩き方の改善④歩行速度の向上⑤耐久性の向上――などです。これらは、リハビリテーションアプローチが必要となるため、病院のセラピスト(理学療法士・作業療法士等)に相談することをお勧めします。
A ①身体の支持②体重の免荷③歩き方の改善④歩行速度の向上⑤耐久性の向上――などです。これらは、リハビリテーションアプローチが必要となるため、病院のセラピスト(理学療法士・作業療法士等)に相談することをお勧めします。
Q どのような種類がありますか?
A 大きく二つに分けられ、杖のように持ち上げて移動させるものと、歩行車のように車輪で転がして移動するものがあります。
A 大きく二つに分けられ、杖のように持ち上げて移動させるものと、歩行車のように車輪で転がして移動するものがあります。
Q 選び方のポイントは?
A
杖 下肢の筋力やバランスの低下により、歩行に不安がある。また、長距離や長時間の歩行が困難となってきた場合などに有効。
歩行器 両手を用い、かつ手で持ち上げて使用するため、上肢の筋力低下がある方や片手が不自由な方には適さない。安全性が高いため、杖の前段階にて有効。また、身体能力だけでなく、使用場所についても確認が必要(段差や傾斜がなく、平らな場所での利用)。
歩行車 力を要さず進むことができるので、両上肢で保持が可能であれば使用でき、病院での早期からの歩行訓練にも有効。
シルバーカー 近隣を移動する際には有用性が高く、荷物が持てない、途中休憩が必要な方などにも有効。
A
杖 下肢の筋力やバランスの低下により、歩行に不安がある。また、長距離や長時間の歩行が困難となってきた場合などに有効。
歩行器 両手を用い、かつ手で持ち上げて使用するため、上肢の筋力低下がある方や片手が不自由な方には適さない。安全性が高いため、杖の前段階にて有効。また、身体能力だけでなく、使用場所についても確認が必要(段差や傾斜がなく、平らな場所での利用)。
歩行車 力を要さず進むことができるので、両上肢で保持が可能であれば使用でき、病院での早期からの歩行訓練にも有効。
シルバーカー 近隣を移動する際には有用性が高く、荷物が持てない、途中休憩が必要な方などにも有効。
なお、各用具は更に細分化されるため全てに該当するというわけではありません。選定のポイントを表にまとめましたのでご参照ください。最後に、最近のトピックスとして、国は介護ロボットの開発支援に取り組んでおり、今夏、下り坂で傾斜を感知する自動ブレーキ機能やGPS(人工衛星による位置情報)などの位置が確認できるネットワーク機能を搭載した歩行車も製品化されています。今後ますます新たな機能を有する歩行支援用具が待たれます。
河口青児氏
福岡医健専門学校作業療法科学科長
1990年作業療法士免許取得後、リハビリテーションセンター、総合病院等にて勤務。08年厚生労働省福祉用具・住宅改修指導官。10年福岡医健専門学校勤務。11年より現職
福岡医健専門学校作業療法科学科長
1990年作業療法士免許取得後、リハビリテーションセンター、総合病院等にて勤務。08年厚生労働省福祉用具・住宅改修指導官。10年福岡医健専門学校勤務。11年より現職
(福祉用具の日しんぶん2015年10月1日号)