コラム

《福祉用具で解決!介護の困りごと》特殊寝台が叶える自立支援 /特殊寝台(渡邉愼一さん)

《福祉用具で解決!介護の困りごと》特殊寝台が叶える自立支援 /特殊寝台(渡邉愼一さん)
 人は起床して、排泄、食事等の生活を始めます。起床するための寝返り、起き上がり、立ちしゃがみは生活の起点になるものです。特殊寝台は、背上げ機能、脚上げ機能、昇降機能を搭載し、寝台上での寝返り、起き上がり、寝台からの立ちしゃがみを助ける福祉用具です。ほとんどのものは手元のスイッチで操作する電動式です。

パーキンソン病のAさんの事例

 Aさんは65歳でパーキンソン病を発症しました。徐々に手の震えや歩くのが遅くなるなど、症状が進行して寝返りや起き上がりが困難になり、夜間のトイレに間に合わずに失敗することをきっかけに生活意欲が低下し、居室で過ごすことが増えてきました。特殊寝台の背上げ・脚上げ機能を利用することで、夜間のトイレでの排泄が自分で出来るようになりました。トイレの失敗がなくなったことに大変喜ばれて、生活への意欲を取り戻せました。

 高齢になると風邪による臥床、親族が亡くなり気持ちが沈むなどのきっかけで外出が減るなど、日常の活動性が低下します。Aさんのように疾病による心身機能の低下も直接的な活動性の低下の原因になります。日常の活動性が低下することで疲れやすくなり、より活動性が低下するといった負の循環に陥ります。また、トイレの失敗などで人の手を借りることは生活の意欲を低下させるものです。Aさんが夜間のトイレが自立して自信を取り戻せたように、できることはできるだけ自分で行うことで、生活を意欲的にすることができます。

生活の起点となる動作を支援


 特殊寝台は生活の起点となる動作を支援します。介護保険の福祉用具貸与では、特殊寝台を使う方は、寝返り・起き上がりが困難な方で、要介護度では2以上の方に適応があるとされています。特殊寝台を使って、横になっている時間の減少、活動時間が増加することで活動的な生活になります。
 また、自立して生活しようとする意識が高まり、気兼ねなく気楽に生活できる、自分のペースで生活しやすくなることで、体を動かす機会が増え体調がよくなり、より活動性が高まるといった好循環が生まれます。
 特殊寝台とともにマットレス、ベッド用手すり等を活用して、自分らしい生活を送りましょう。

特殊寝台の効果
1.寝返り、起き上がり、立ち上がり、乗り移りが容易になる
2.活動的になる(横になっている時間が減る。
  座っている時間が増える)
3.自分でできることで意欲的になる
4.介護者の負担が軽減する

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