連載《プリズム》

増える高齢者施設のクラスター

増える高齢者施設のクラスター

 2度目の緊急事態宣言の中で新型コロナウイルスはさらに勢いを増し、病院や高齢者施設を襲っている。
 昨春の第1波では、欧米の高齢者施設で多数のクラスターが発生したが、日本では従事者の努力で抑えられた。
 しかしウイルスが日本国中に広がった現在、がんばってきた医療・福祉施設でも集団感染が相次ぐようになった。

 厚労省の調べでは、2月1日までに発生したクラスター(1施設5人以上の感染者)は、昨年来、4797施設・企業に及び、このうち医療・福祉施設は2040施設、全体の42%を占める。その他、飲食店は927、企業894、学校・教育587など。

 医療・福祉施設のクラスターは昨年8月3日時点で240施設だったものが、10月12日に583施設、12月7日に1000施設、1月12日に1547施設に、そして2月1日に2040施設に拡大した。内訳は、高齢928施設、医療796施設、児童202施設、障がい者114施設。1月の高齢者施設のクラスター発生の施設数は、第2週66、第3週75、第4週112。第5週は95となった。

 本紙のまとめでは、12月から1月にかけて、北海道では札幌市で84人(老健)、音更町90人(老健)、伊達市67人(特養)、岡山県倉敷市で67人(特養)、熊本市で89人(老健)、大阪府八尾市で90人(高齢者施設)、香川県高松市で104人(特養)などのクラスターが発生した(6面)。

 厚労省「新型コロナウイルス感染症10の知識」によると、診断された国内の感染者数は37万9516人(人口の0.3%)。レムデシベルやステロイドなどの投薬によって治療効果は上がっているが、70歳以上で入院時に軽症・中等症の人で死亡するのは5.8%、重症の人で死亡するのは20.8%。ワクチン接種は、2月下旬に医療従事者から始めて、4月以降に高齢者や基礎疾患を有する人、介護従事者の順に行うとしている。世界の感染者数が1億人を超えて、攻防は一段と厳しくなった。
(シルバー産業新聞2021年2月10日号)

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