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「かかり増し経費」補助金10月より 介護6万円・障害福祉3万円

「かかり増し経費」補助金10月より 介護6万円・障害福祉3万円

 基本報酬0.1%上乗せ特例の9月末終了に伴い、厚生労働省は9月28日、新型コロナ感染予防を目的としたかかり増し経費の補填について、10月以降は補助金で継続支援を行う旨の事務連絡を発出した(介護保険最新情報Vol.1011「『感染防止対策の継続支援』の周知について」)。10月1日~12月31日までの経費が対象。介護は平均的な規模の施設で6万円までを補助する。サービス別の補助上限、対象経費の詳細は今後示される。

 厚労省は10月以降の新型コロナ対応への継続支援として①介護、障害福祉、医療の各施設・事業所に対し、感染症対策のかかり増し経費を補助金で支援する②医療機関等が新型コロナ患者の診療を行った場合に、診療報酬上の特例的な評価をさらに拡充する――の2点を、9月28日の事務連絡で明らかにした。

 ①の補助金は10月1日~12月31日の間で感染防止対策に要した費用が対象。介護は地域医療介護総合確保基金を財源とし、全事業所へ適用される。補助上限額は「平均的な規模の介護施設において6万円」と示しているが、これは介護施設の平均定員(約70床)での目安となる。具体的なサービス・規模別の上限額について同省担当者は「経費の補助対象となる物品・サービス等の範囲も含め、10月中には示したい」と説明している。補助上限額は月ごとではなく、3カ月間の合計額となる。

 障害福祉サービスは上限3万円。介護と同様、サービス別等の補助上限を設定する。医療については医科、歯科ともに病院・有床診療所10万円、無床診療所8万円、また薬局、訪問看護事業所、助産所は6万円をそれぞれ補助上限額とする。

 なお、医療系の介護サービスを行う病院や診療所、薬局、訪問看護事業所に医療の補助金が支給される場合、介護の補助金は適用外となる。例えば、病院が通所リハビリを提供している場合、病院が医療の補助金を受けていれば、通所リハビリ事業所で介護の補助金は受けられない。

 ただし、老健と通所リハビリや、居宅介護支援と訪問介護、通所介護など、介護サービスを複数運営している場合は、それぞれのサービスで介護の補助金が受けられる。

 27日の介護給付費分科会では、「申請に係る事業者・行政の負担に考慮すべき」との指摘もあり、同事務連絡では「手続についてはできる限り簡素化をはかることを検討している」と説明。加えて、介護事業所に対し感染防止対策に要した経費について、領収書の保存を呼びかけている。

 かかり増し経費への支援について、昨年度は2次補正予算「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業」で衛生用品や非対面・非接触に活用できるICT機器、事業継続に必要な人件費など、幅広い経費を対象に実費補助を行った。通所介護(通常規模)で89.2万円、特養で3.8万円×定員数などの上限を設けた。

 今年度からはこれを、介護報酬上の特例で補填。全サービスを対象に4月~9月のサービス分について「基本報酬×0.1%」の上乗せ請求が認められてきた。コロナ収束の目途が立たない中、全国老人福祉施設協議会が同特例の10月以降の延長を求める要望書を提出するなど、現場からは継続の声もあがっていた。

自宅・宿泊療養者への対応へ報酬引上げ

 ②の診療報酬上の特例拡充に関しては、自宅・宿泊療養者への対応を評価。緊急往診では、ロナプリーブ(中和抗体薬)投与の場合950点から4750点へ報酬が5倍にアップし、投与がない場合も2850点と3倍になる。

 訪問看護の場合も、自宅・宿泊療養者への緊急訪問は520点が1560点と3倍に。歯科では呼吸管理を行うコロナ患者への口腔粘膜処置として、新たに100点が加算される。

(シルバー産業新聞2021年10月10日号)

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