生き活きケア

「働き甲斐」つくり定着率90%実現/笑和(大阪市)

「働き甲斐」つくり定着率90%実現/笑和(大阪市)

 大阪市を中心にデイサービスや訪問介護などを運営する「笑和(しょうわ)」(大阪市、大島圭史社長)では、働きやすい職場作りや、適切な人材評価の仕組みを確立させて、定着率90%、離職率10%以下を達成している。夜勤専門職員の採用や、独自の人事考課表の活用などの取組みを紹介する。(生き活きケア 153)

人事考課で、職員の課題や成長を的確に把握

 大阪市を中心にデイサービスなどを運営する「笑和(しょうわ)」では年に2回、人事考課表を用いた評価や面談を行っている。

 人事考課表では▽礼儀、常識▽今後の成長可能性▽責任性▽実行力▽チームワーク能力▽コミュニケーション能力▽自己管理力――など10項目について10点満点で評価する。自己評価のほか、施設責任者、社長も評価を行う。

 部門統括を行っている森下敬太さんは「経営者と従業員では求めることが異なることがある。面談では職員が頑張っていることや困難なことを聞き取り会社に伝え、また、会社から求められていることを職員に伝えている。お互いが歩み寄るための橋渡しができるよう取組みたい」と話す。

 大島社長は「評価内容は賞与にも反映するが、最大の目的は本人がどのような思いで勤務しているのか、目標が達成できるよう何をしているのか、どのようなことを困難だと思っているかを会社が把握し、サポートしていくこと」と強調する。

手厚い人員配置で負担分散

 「笑和デイサービス」では、人員を2.5対1と高い水準で配置するほか、夜勤専門職員を採用することで職員に負担をかけず、働きやすい環境を実現している。

 職員数は約80人で、そのうち正社員は50人と多く、人員配置を手厚くできている。手厚い人員配置により、職員1人にかかる負担を軽減すると共に、質の高いケアの実現にも繋がっている。

 「家庭的な雰囲気で職員と利用者が近い関係を築きながらも、介護職の専門性を発揮して、本人の自立を支援するケアを実践している」(大島社長)

 また同社のデイサービスでは、家族のレスパイトケアの一環としてお泊りサービスも提供している。夜間は基本的に職員1人で対応しているが、日勤職員の負担が増加しないよう、夜勤専門職員を採用。

 夜間勤務は週1回で月5回まで。負担が分散されるような体制を整えている。

 手厚く人員を配置することで、1人あたりの業務コストが分散され、残業時間は月5時間以下を維持している。産休を取った女性職員のほとんどが復帰する等、子育てをしながらでも仕事を続けられる環境が整っている。

 働きやすい環境づくりや、人材育成体制により同社の定着率は90%を超え、離職率は10%以下と低水準を達成している。

 大島社長は「いい職員を確保することは、いいサービスに直結する。いい職員を確保するためには、▽処遇▽教育▽福利厚生――この3本柱の確立が重要。職員の働き甲斐と利用者の満足度をともに実現していきたい」と意気込む。
年間目標を壁に貼って会社全体で達成を目指す

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(シルバー産業新聞2020年1月10日号)

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