生き活きケア

15歳の高校生アルバイト/デイサービスセンタープエンテ(越谷市)

15歳の高校生アルバイト/デイサービスセンタープエンテ(越谷市)

 埼玉県越谷市を中心に居宅介護支援や訪問看護、サービス付き高齢者向け住宅などを展開する礎グループ(埼玉県越谷市、大塚洋幸社長)が運営するデイサービスセンター「プエンテ」では、今年高校1年生になった池端康樹さん(15歳)が働いている。笑顔が多くまじめな池端さんは利用者からも人気で「毎日来てほしい」と言われるほど、勤務日を心待ちにされている。(生き活きケア 159)

「学業と仕事の両立がんばりたい」

 礎グループが運営するデイサービスセンタープエンテは18人定員で個別リハビリを提供している。平均要介護度は2と比較的軽度の利用者が多い。

 同事業所には今年の4月から、同社が運営する療養通所介護「めぐり」に勤務する母親(管理者・看護師)の紹介で、池端康樹さんが働き始めた。池端さんは今年高校1年生になる15歳。1日8時間、授業がない日に週2日程度勤務している。

 池端さんは中学3年生の時に不登校になり、ふさぎ込んでいたところ、母から「働いてみない?」と声をかけられたのが勤務のきっかけ。

 「ふさぎ込んでいた自分にとって、外に出て働くということはとてもよい刺激でした。それと同時に、仕事と勉強を両立してしっかりした大人になりたいと思うようになりました」と話す。

 仕事内容は▽お茶出し▽おやつ時間の飲み物提供▽足浴(水を使わない足湯)の誘導――などで、介護職員のサポートとなる業務を中心に行っている。

 「まず、利用者が到着したら、表情に変わりはないか、頭をおさえてうなだれていないかなど状態をしっかり見て、確認するように心がけています」(池端さん)。

 このほか、足のリハビリサービスも提供していることから、足浴の誘導時に足の状態も確認し、調子が悪い利用者がいた場合は専門の職員に報告する。
 池端さん(左)と大塚さん

 池端さん(左)と大塚さん

利用者の過ごし方に合わせたコミュニケーション

 この2カ月で、会話などをせず自分の時間を過ごしたい利用者や、会話などコミュニケーションを好む利用者が分かるようになり、一人ひとりに合わせて過ごしやすい環境を提供できるよう取り組んでいる。

 また、利用者とコミュニケーションをとる際は、会話の中で、わからないことがあったらすぐに調べることを意識しているという。
 池端さんは「利用者の中には戦争の話をしてくださる方もいます。知らない単語や話題が出た際は、休憩時間にすぐに調べて、休憩が終わったら利用者の方に改めて話をしに行くように心がけています」と意欲的だ。

 同社統括の大塚早苗さんは「池端くんは、周りの状況を的確に把握して、利用者の変化にもすぐに気づくことができている。周りの職員も一従業員としてみています」と評価する。
 利用者に目を配り、すかさずサポートに向かう

 利用者に目を配り、すかさずサポートに向かう

次の目標は排泄・入浴介助

 勤務先としての介護現場のイメージを池端さんは「地域の回覧板で介護の事件について書かれていて働くことに不安があり、いい印象がなかったけれど、今では180度変わった」と話す。

 「僕にとって、この事業所は明るく爽やかで居心地がよいです。利用者の方にもよくしていただいて、とてもよい環境で働けています」

 大塚さんは「利用者からもとても人気で『池端くん頑張っているよ!』『池端くんはずっといてほしい』などよく聞きます」とほほ笑む。

 池端さんは現在、フロアでの業務に取り組んでおり、次の目標は、経験を積んで排泄や入浴介助だという。

 「明るく、よい雰囲気で事故が発生しない今のプエンテのままでいてほしい」と語った。

 大塚さんは「礎グループでは、家族で働いている職員も多くいる。働くきっかけづくりとしてなど、多く活用してもらいたい」と今後の展開に期待を寄せる。
 昼食前に利用者と談笑

 昼食前に利用者と談笑

(シルバー産業新聞2020年7月10日号)

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