ワールドレポート

ヤマシタ「チャイナ・エイド」出展 在宅介護需要拡大する中国に商機

ヤマシタ「チャイナ・エイド」出展 在宅介護需要拡大する中国に商機

 福祉用具レンタル大手のヤマシタ(静岡県島田市、山下和洋社長)は、6月11日~13日にかけて、中国・上海市で開催された介護・福祉展示会「CHINA AID2025(上海国際福祉機器展)」に出展。日本、中国、韓国のヘルスケア関連企業21社と共同で、「在宅養老(介護)サービスプラットフォーム」をテーマに、在宅高齢者を取り巻く住環境を再現した展示を行った。在宅介護の需要が拡大する中国で、福祉用具レンタルなど、日本式のトータル介護システムを売り込んでいきたい考えだ。

中国市場へのビジネス展開を加速

 中国では、2035年前後に60歳以上の高齢者人口が4億人を超える見通しになっている。こうした背景の下、中国政府は、21年3月に高齢化社会への対応を「国家戦略」に格上げするなど、少子高齢化への対応を強化している。中国政府が政策スローガンとして掲げているのが「9073」。これは、90%を在宅介護、7%を地域コミュニティ支援、3%を介護施設で対応するという意味で、今後、中国で在宅介護の需要が急拡大していくことが予想される。

 そうした中、ヤマシタでは、20年に「山下福至(上海)健康管理有限公司」を上海市に設立し、中国での福祉用具レンタルや住宅改修のサービス提供を開始。さらに、23年には天津市に「山下友愛(天津)健康管理有限公司」を創設し、民生局の協力のもと、福祉用具レンタル制度のテスト事業に取り組んでいる。そして、昨年3月には上海市にヤマシタが100%出る「山下(上海)養老服務有限公司」を設立し、中国市場へのビジネス展開を加速させている。

 現在、上海市では、福祉用具レンタルを利用する人の約85%が、同社から直接・間接的にサービスを受けるまでに利用が拡大している。

日中韓のヘルスケア関連21社で共同展示

日本式のトータル介護システムを提案

日本式のトータル介護システムを提案

 6月11日~13日にかけて、上海市・浦東の新国際博覧センターで開催された、中国最大の介護・福祉展示会「CHINA AID2025」には、今年もヤマシタが出展。ブースでは、日本、中国、韓国のヘルスケア関連企業21社と共同で、「在宅養老(介護)サービスプラットフォーム」をテーマに、在宅高齢者を取り巻く住環境を再現した展示を行った。

 日系企業では、積水、アキレス、プラッツ、カワムラサイクル、島製作所、幸和製作所、星光医療器、竹虎、マツ六、マリアンヌ製靴などの福祉用具メーカー、アース製薬、東海機器工業、アタム技研などの消毒・メンテナンス関連メーカー、教育分野からはお茶の水ケアサービス学院、流通分野ではウェルファンなどが参画している。
ブースには日系企業の福祉用具が並ぶ

ブースには日系企業の福祉用具が並ぶ

介護シューズは多くの中国人来場者の関心を集めた

介護シューズは多くの中国人来場者の関心を集めた

ヤマシタで中国事業を統括する永井氏

ヤマシタで中国事業を統括する永井氏

 ヤマシタで中国事業を統括する永井新氏は、「介護施設、リハビリ病院、在宅サービス、福祉用具レンタル・販売など、日本式の介護サービスシステムをトータルで提案できた。中国の地方政府や国営企業の関係者たちと、福祉用具レンタルサービスも含めた、在宅介護サービスのプラットフォーム構築について、具体的な話し合いができた」と、展示会の成果を語っている。

(シルバー産業新聞2025年7月10日号)

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