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ケアマネジメントにAI活用 第2表作成時間38%減

ケアマネジメントにAI活用 第2表作成時間38%減

 NTTデータ経営研究所は昨年度、AIを活用したケアプラン作成支援の調査研究を実施し、報告書をまとめた。開発中や製品化されているAI搭載のシステムを、ケアマネジャーに実際に使ってもらい、業務時間やケアプランがどう変化したかを検証した。

 ワイズマンが販売する「MeLL+professional(メルタス・プロフェッショナル)」では、スマートフォンなどに入力した音声内容を介護記録の帳票に出力できる。検証では、実際のモニタリング訪問後に同製品を利用した場合としなかった場合とで記録にかかる時間などを比較。平均でメルタス・プロフェッショナルを使用した記録時間は31分と、利用しなかった場合より3分16秒短縮された。11人のケアマネジャーのうち、利用により、記録作成時に情報を入力する負担が「軽減した」7人、「少し軽減した」2人、情報を思い出す負担は「軽減した」8人、「少し軽減した」1人という結果だった。具体的に評価する意見では、「音声入力なら業務の合間のすき間時間でもできる」「記憶が鮮明なうちに記録できる」など負担軽減だけでなく、記録の漏れなどを防ぐ点を評価する意見も多くみられた。

 ウェルモが開発中の「ケアプランアシスタントβ版」を用いた検証では、ケアプラン第2表原案の作成時間が約35~40%減少。同製品では、AIがニーズや長期目標の文章を選択肢で提案し、ケアマネジャーがその中から選択するとプランが作成されていく。またアセスメントシートに記載された既往歴などの疾患情報を読み取り、主症状などの概要や関連疾患、類似するケアプラン事例などを示してくれる。

 検証では、2つの事例を用意。事例ごとに「ケアプランアシスタントを使って作成するグループ」「従来通りに作成するグループ」を入れ替えて検証した。第2表原案の作成時間を比較すると、従来通りに作成したグループ38分30秒に対し、AIを活用したグループは23分26秒と38%減少するなどの結果を得た。選択肢や疾患情報などの提示により、およそ7割のケアマネジャーがニーズや目標検討、文章作成の負担が「軽減した」「やや軽減した」と回答している。具体的には、「文章をゼロから作成しなくて済むのでスピードアップに繋がる」「大まかなプランが早く作成でき、そこから自分の言葉で修正していく方法で負担が減った」などと評価されている。

 またケアマネジメントの質の変化を検証するため、AIの活用で新たな知識や気づきを得られたかも尋ねた。およそ4~6割のケアマネジャーが、AIからの提示や提案で自身にはない新たな知識や気づきを「得られた」「やや得られた」と回答。「ヒントが得られるので、多角的な視点でプラン作成ができる」「視野や提案力も広がる気がする」と評価される一方で、「画一的なプランになってしまわないか」「ヒントにはなるが、個別のアセスメントや課題解決を考えなくなってしまうのでは」など、プランの個別性を欠いたり、新人ケアマネジャーの成長機会を奪ったりすることを懸念する意見もみられた。

(シルバー産業新聞2020年7月10日号)

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