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「介護職月9000円賃上げ」交付率案を公表、10月以降は臨時改定対応

「介護職月9000円賃上げ」交付率案を公表、10月以降は臨時改定対応

 厚生労働省は12月24日、来年2月から実施する「介護職の月額9000円賃上げ」のための介護職員処遇改善支援補助金の交付率案を公表した。今年度から実際に賃上げを行うことが取得要件の案として示されており、事業所には2~3月中の対応が求められる。また賃上げ効果を継続するため、補助額の3分の2以上はベースアップの引き上げに用いる必要がある。来年10月以降は補助金から介護報酬での対応に切り替えるため、臨時の介護報酬改定を行う。

「3月までの賃上げ」が必要

 2~9月の賃上げは全額国費で「介護職員処遇改善支援補助金」として実施する。今年度の補正予算で1000億円を確保した。

 都道府県が事業所の申請に基づき、補助金を交付するスキームを念頭に置く。現行の処遇改善加算と同様、申請時に処遇改善計画書、期間終了後に実績報告書を提出する。いずれも処遇改善を行う職員の賃金改善総額(月額)の記載とし、職員個々の改善額の記載までは求めない。要件を満たさない場合は補助金の返還を求める。

 補助金を取得できるのは「介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを取得している事業所」で、そもそも同加算を算定できない居宅介護支援、訪問看護、訪問リハ、福祉用具貸与、居宅療養管理指導などのサービスは対象から外れる。
 対象サービスごとに、介護職員の数(常勤換算)に応じた加算率を設定し、「1人当たり月額平均9000円の賃金引上げに相当する額」として、各事業所の総報酬に交付率を乗じた金額を支給する。ただし、事業所判断により、介護職員以外の職員の賃上げに充てることができるため、その場合は介護職員に対する賃上げ効果が薄まることになる。

 「2、3月から実際に賃上げを行っていること」が取得要件。厚労省の担当者は、「2月からの賃上げが望ましいが、事業所の対応が間に合わない場合などは3月からの実施で構わない。ただし、その場合は2月分の賃上げも3月にまとめて行うことを想定している」と説明する。事業所は賃上げを実施した旨を賃上げ開始月に都道府県へ報告する。実際の申請は4月から都道府県で受け付ける。

 補助額は全額、職員の処遇改善に用いる。さらに、賃上げ効果を継続させるため、3分の2以上は基本給か決まって毎月支払われる手当の引き上げに使う必要がある。ただし、賃金規定の見直しに一定の時間がかかることなどを考慮し、2、3月分は一時金による支給も可能とした。

 補助金はまず2月~4月分が初回の6月にまとめて支払われる。それ以降は、5月分を7月、6月分を8月といった具合に介護報酬の支払い時期と揃える予定だという。

 事業者団体からの要望も多かった事務負担の軽減について、厚労省は「現行の処遇改善加算は年度当初から算定する場合、2月に計画書の提出が必要だが、今回の補助金の申請(計画書の提出)とあわせて4月に遅らせることを検討している」と説明している。

10月以降は介護報酬対応に

 10月以降は、臨時改定を行い、介護報酬での対応に切り替える。12月22日の財務・厚労両大臣の折衝で正式に決定した。補助額の3分の2以上をベースアップにまわす要件を設定することもその場で確認された。10月以降の加算率については、改めて「調整・検討予定」とされている。

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