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SOMPOケア 鷲見隆充社長「未来へのチャレンジ」1年間の成果とこれから

SOMPOケア 鷲見隆充社長「未来へのチャレンジ」1年間の成果とこれから

 昨年4月に社長に就任したSOMPOケア(東京都品川区)の鷲見隆充社長は、就任100日後の同年7月に「SOMPOケア未来へのチャレンジ」を発表した。それから1年。取り組みを振り返るとともに、今後の展望について同氏に聞いた。

 社長就任100日後に、今後は新たに①供給力向上と需要の抑制②もっと「働きがいを感じる会社」へ③SOMPO流の介護を創る――の3つに取り組んでいくことを表明した。①供給力向上と需要の抑制では、今年8月~10月にかけて子会社のネクサスケアなど3社を吸収合併し、1160人の職員を当社へ迎え入れる。M&Aは今後も積極的に実施し、日本の介護を変えるという志をともにできる仲間を増やしていきたい。

 また、当社の5周年記念事業の一環として7月、キッザニア東京に「ケアサポートセンター」パビリオンを開設した。少子化が進む中、介護の仕事への興味・関心を持ってもらい、憧れの仕事の一つとなることを願っている。

今年10月に第3弾処遇改善

 ②もっと「働きがいを感じる会社」への取組みとしては、今年10月から年6億円を投じ、第3弾となる大型の処遇改善を実施する。今回初めて介護福祉士資格取得前の介護職員1600人の給与を年12万円引き上げる。未経験者の場合、介護福祉士の受験資格を得るまでに最低でも3年の実務経験が必要になるが、取得前に離職してしまうケースも少なくない。賃上げとともに、オンラインでいつでも学べる環境も整備した。両輪で定着に繋げていきたい。そして介護福祉士4500人とケアマネジャー900人の年収もさらに6万円引き上げる。2019年以降の三度に渡る処遇改善の費用を合算すると年間40億円。

 ③の「SOMPO流の介護を創る」は、業務の見直しやテクノロジー導入などで時間を創造し、データを活用した予測する介護などの専門性の高い仕事やACP・対話など人にしかできない仕事に取り組んでいく。これを当社では「未来の介護」と呼んでいる。来年度までに280全ての介護付きホームでの定着を目指す。

 昨年、厚生労働省の実証事業を受託し、当社12ホームで取り組んだ結果、テクノロジー活用や業務の組み換えにより、サービスの質を低下させず、平均3.25対1の人員配置で対応可能だと試算できた。実際に緩和へつながるかどうかは、年末までの介護報酬改定の検討次第だが、今後ますます人材確保が困難になるのは間違いない。議論の行方を注視したい。

 また今年10月から介護RDP(リアルデータプラットフォーム)「egaku(エガク)」のソフトウェアの販売を開始する。散在するデータを統合・可視化し、業務効率化や自立支援を実現する。egakuを通じて、当社だけでなく介護産業全体の変革をリードしていきたい。(談)
(シルバー産業新聞2023年8月10日号)

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